3月24日、トッテン氷河沖での海洋集中観測が終了しました。3月6日から24日にかけて、トッテン氷河の沖合15地点ほどで海水温や塩分、栄養塩、鉄、およびプランクトンなどを調べる観測装置の投入や海氷採取を行い、各種データやサンプルを集めることができました。

海上を漂流しながら海洋表層の流れを継続的に観測することができます
撮影:JARE66 北本 憲央(2025年3月24日)

投下の後、海底に到達するまで塩分、水温、水深を測定します
撮影:JARE66 大久保 瑠衣(2025年3月24日)
原田隊長は「荒れた天気が続く中、観測位置の変更、観測順の変更、観測項目の変更、と常に変更の繰り返しで、計画通りに実施できた観測点はほとんどなかったかもしれません。しかし、そのような厳しい海象、気象状況に悩まされながらも計画していた観測点のうち5〜6割の測点で観測を実施することができました。今回初めて鉄の観測にも挑戦しましたので、今後データを分析し成果につなげたいです」と語りました。

撮影:JARE66 北本 憲央(2025年3月22日)

撮影:JARE66 北本 憲央(2025年3月25日)
トッテン氷河沖における観測については以下のページをご参照ください。
・係留系投入
・漂流系投入揚収
・直付け採水、クリーンCTD、海氷ゴンドラ、現場濾ろ過装置
・AUV200m航行
・CTD、LADCP、がま口ネット
観測船「しらせ」はトッテン氷河の海域を離れ、今後は東経110度線付近での海洋観測を実施しながらオーストラリア・フリマントル港へ向かいます。
(JARE66 北本 憲央)