広報オペレーション(露岩域編)

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続いて昭和基地から南南西に約100kmの場所にあるルンドボークスヘッタ(ノルウェー語で丸い湾)という場所を訪れました。リュツォ・ホルム湾東岸、宗谷海岸に分布する露岩域の一つとされています。氷河の風景とは違い、ルンドボークスヘッタは岩肌や地層がとても美しい場所でした。巨石一つ一つが長い年月を経てこの場所にいることを感じました。

うねる巨大な模様の地層に立って撮影
撮影:JARE66 米村幸司(2025年1月22日)

氷壁に囲まれた場所でしたが、よく晴れた日射の影響もあってかとても暖かく、穏やかな風景でした。溶けだした水が湾を成しており、透き通った水がゆっくりと揺れる姿は氷河の厳しく壮大な風景と違ってとても印象的でした。

穏やかな水辺もまた南極の一つの風景
撮影:JARE66 米村幸司(2025年1月22日)

続いて昭和基地から南に約25kmの位置にある、ラングホブデの袋浦(ふくろうら)を訪れました。ペンギンのルッカリーと呼ばれる営巣地であり、昭和基地から比較的近く訪れ易い場所です。この袋浦も露岩域であり写真のように台地がむき出しで、数えきれない程のアデリーペンギン達が暖かい岩場で寝そべっていました。既にペンギンの雛鳥は親とほとんど変わらないくらいに大きく成長していましたが、フワフワの毛並みで目がしっかりと開かれておらず眠そうな顔をしていました。

数えきれない程のペンギン達
撮影:JARE66 米村幸司(2025年1月22日)

ルッカリーにいるアデリーペンギンは群れで生活しているようですが、思い返すと単独行動でしらせ付近や昭和基地付近を歩いたり、泳いだりする個体も存在していました。ルッカリーでは巣の近くでじっと佇んでいる姿が印象的ですが、餌を求めて長距離を移動し、海を駆け巡ることを想像すると、とても逞しい生き物に感じます。

意外にも大きな声で泣くペンギン達
撮影:JARE66 米村幸司(2025年1月22日)

(JARE66 米村幸司)

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