3月12、18日にグラビティーコアラーによる海底堆積物の掘削が行われ、それぞれ4.3mと4.5mの堆積物コアを採取することができました。これまで過去2シーズン(61次、65次)にわたり南極で同様の掘削を行っていますが、4m超えはJARE史上最長記録となります。
撮影:JARE67 池田未歩(2026年3月18日)
撮影:JARE67 尾張聡子(2026年3月12日)
採取したコアの活用方法は前回のブログでご紹介した通りですが、レグ2から新たに、堆積物コアから「間隙水(かんげきすい)」を抽出する作業が始まりました。
間隙水とは、堆積物の粒子のすき間に存在する水のことで、当時の海水が閉じ込められ保存されたものです。堆積物コアが過去の堆積環境を記録しているのと同様に、間隙水も当時の海水の性質を保存しており、古環境復元の手がかりになります。ただし間隙水は液体なので時間とともに拡散や蒸発の影響を受けやすく、なるべく掘削直後の新鮮な状態で抽出することが望ましいとされます。レグ2では掘削したその日のうちに作業を行っていました。
※撮影は別日ですが、作業の流れは同様です...!
撮影:JARE67 池田未歩(2026年3月9日)
撮影:JARE67 池田未歩(2026年3月9日)
撮影:JARE67 池田未歩(2026年3月9日)
堆積物コアは1cmごとにカットし、その一部を間隙水の抽出に使用します。層ごとに抽出することで年代の異なる試料を得ることができます(右)
撮影:JARE67 池田未歩(2026年3月9日)
間隙水は様々な分析方法がありますが、例えば今回の試料では塩化物濃度を調べることで、海水の起源や当時の塩分環境を復元する研究が進められる予定です。堆積物コア試料と合わせて比べることで、数千年前までの海の様子や、棚氷の前進・後退に伴うこれまでの環境変動を間接的に読み解く手がかりになるかもしれません。
レグ2の掘削ではどちらも非常に長いコアが得られたため、間隙水の抽出作業は朝まで続いたとのこと。間隙水観測を担当する尾張隊員をはじめ、採泥チームのみなさん、お疲れさまでした!
(JARE67 池田未歩)


