今回は、南極・昭和基地で活動をするにあたり、とても大切な業務・輸送についてご紹介したいと思います。先日、66次広報担当の北本隊員が輸送についての記事を書いてくださいました(【観測隊ブログ】「昭和基地への物資輸送完了!」)が、輸送を担当する立場からも記事を投稿します。
観測隊が昭和基地に到着すると、全ての活動はまず、物資を運ぶことから始まります。物資が届かなければ、観測を始めることはもちろんのこと、食事をすることさえもできません。観測隊が南極で観測活動や基地運営をするためには大量の物資が必要ですが、南極観測船「しらせ」から昭和基地へ運ぶ手段として、ヘリコプターでの輸送と雪上車での輸送があります。
66次隊がヘリコプターでしらせから昭和基地に移動する人員輸送の便が終わると、すぐに空輸が始まります。空輸ではまず、昭和基地夏期間に使用する食料や観測物資等、昭和基地で活動を開始するにあたり優先順位の高いものを運びます。これを「優先物資空輸」と呼んでいます。
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撮影:JARE65 山岡麻奈美(2025年1月12日)
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撮影:JARE65 山岡麻奈美(2025年1月12日)
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撮影:JARE65 山岡麻奈美(2025年1月12日)
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写真は、食糧を荷下ろし、冷凍庫に搬入する様子。
撮影:JARE66 和田千弥(2024年12月28日)
優先物資空輸が終わると、次は氷上輸送の始まりです。ヘリコプターに搭載できない大型物資や危険物等が対象です。海氷が安定する夜間に南極観測船しらせと昭和基地間を雪上車で往復し、物資を運びます。
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撮影:JARE65 山岡麻奈美(2025年1月4日)
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撮影:JARE65 山岡麻奈美(2025年1月4日)
昭和基地に運び込まれる荷物の荷受け対応は、前次隊の仕事です。私たちが昭和基地に到着したときも、65次隊の物資は64次越冬隊のみなさんが荷受け対応にあたってくださいました。今回持ち込む66次隊の観測物資・越冬物資等は、65次越冬隊が荷受け対応にあたります。空輸や氷上輸送で昭和基地に届いた荷物は、観測隊員により基地内の各所へ運ばれます。
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撮影:JARE66 秋山淳二(2025年1月17日)
スチールコンテナの中から荷物を取り出す観測隊員ら。ここから、観測や越冬に向けた準備が始まります。
(JARE65 山岡麻奈美)