以前も観測隊ブログでご紹介した内陸作業用モジュール。10月8日、いよいよ最終段階の電気配線工事が行われました。
7月にご紹介したときはモジュール内部にはまだ家具や照明がない状態でしたが、建築隊員や電気担当隊員の尽力により内装工事も無事に終了し、ついに完成しました。
6つのベッドにそれぞれカーテンを設け、プライベートスペースを確保しています。モジュールの出入り口付近の1段目のベッドは、人が座っても頭をぶつけないようにあえて高さを高くしてあり、入口の広いスペースを団らんの場所に使用できるようと工夫されているそうです。また各棚には移動中に物が落ちないよう、落下防止対策がとられています。
ベッド下のスペースも有効活用。段ボールが入るサイズに設計され、こちらも移動中に段ボールが動かないように工夫して作られています。
過酷な環境で業務に従事するからこそ、休息の場面では心安らぐ空間で過ごして欲しいとの建築隊員の心遣いにより、資材の一部にはヒノキが使用されています。完成したモジュールに足を踏み入れると、ヒノキの香りと木の温もりが感じられる素敵な空間となっていました。
65次の夏期間に外壁パネルの組立が完了し、越冬開始とともに外装・内装工事が進められた内陸作業用モジュール。66次先遣隊は11月初旬に昭和基地に到着予定ですが、完成したモジュールは一足先に、10月10日に昭和基地を出発し、南極大陸へと旅立ちました。
完成したモジュールと昭和基地で過ごせる時間はほんの数日で、すぐに大陸へと旅立ってしまうこととなり寂しい気持ちにもなりますが、これから多くの隊員の野外での活動を縁の下で支えてくれるモジュールになることと思います。ドームふじ観測拠点Ⅱでのミッションの成功と、ドーム旅行に参加する隊員の無事を願っております。
(JARE65 山岡麻奈美)