減りゆく生鮮食品たち

「卵が最後だよ~!」調理隊員から、アナウンスがありました。

8月9日、65次隊で持ち込んだ最後の卵が卓上に並びました。次に卵を食べられるのは、66次先遣隊が昭和基地に到着する際におみやげとして持ってきてもらう11月上旬頃の予定、とのことです。

ちなみに、持ち込んだ生鮮品のうち、キャベツはまだ食べられます。隊員の手入れの甲斐もあり、長持ちしています。8月13日の夕食では、キャベツの千切りが提供されました。調理担当の髙木隊員によると、8月いっぱいは生のキャベツが食べられるだろうとのことです。11月にフリーマントルでしらせに積み込み、昭和基地に持ち込んだキャベツが、8月の今も生で食べられる。ちょっと驚きませんか?

昭和基地への食料の輸送は、南極観測船しらせにて行われる年一回の輸送のみです。越冬隊が昭和基地で過ごす1年分の食料をしらせで持ちこむため、生鮮食品が尽きてしまうと、越冬生活の後半は食材のほとんどが冷凍もしくは常温保存の缶詰などになります。

日本ではスーパーやコンビニに足を運べば、食べたいときに食べたい食材を手にすることができますが、南極ではそうはいきません。どんどんと食材が減っていくなか、在庫を管理しながら、毎日美味しい食事を提供してくれる調理隊員。調理隊員の作る料理は、隊員たちを笑顔にしてくれます。

左:最後の卵たち。このあと、温泉卵に
右:8月9日の朝食。カレーうどんに温泉卵をのせて。
とろっとした黄身とともに、美味しくいただきました。
撮影:JARE65 髙木和弥(左)、山岡麻奈美(右)(2024年8月9日)
傷んでいる部分を取り除き、可食部位を千切りしていきます。
トントントン…と心地よい包丁の音が厨房に響いていました。
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2024年8月13日)
キャベツはまだ、生で食べられます。
8月13日の夕食。オヒョウのフライとドリア。
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2024年8月13日)
おまけ。最後の白菜。11月下旬にフリーマントルで積み込んだ白菜は7月13日に尽き、
最後はポタージュとなりました。
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2024年7月13日)

(JARE65 山岡麻奈美)