雪尺観測

気象部門では、おおよそ2週間に1回、雪尺観測を行っています。3月25日、雲一つない快晴の日に、気象隊員の雪尺観測に同行させてもらいました。先日受講したスノーモービル講習の成果を発揮し、早速海氷上の観測地点に向かいます。

海氷上の観測ポイントに向けて、出発!
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2024年3月25日)

昭和基地より北側の海氷上にある20m四方のエリアに、竹竿を利用した雪尺が10m間隔で9本設置されています。この観測では、雪面から竹竿の指定した場所までの長さを測定し、前回の測定値からの差を求めることで、積雪量の増減を知ることができます。

観測地点には、予備を含めそれぞれ2本の竹竿が設置されています。遠くに見えるのは、昭和基地主要部の建物群。
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2024年3月25日)
雪面から竹竿の目印までの長さを測定中。測定値を読み上げ、もう一人が記録します。
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2024年3月25日)

観測は通年で行われるため、これから迎える極夜期には、日が昇らないなか海氷上に出向くこととなります。

雪尺観測は第1次隊から開始され、場所や方法、使用器具など変遷を経て長期にわたり続けられてきた観測のひとつで、現在の北の浦海氷上の観測地点では58次隊から継続して観測を行っているそうです。観測データを長期的に蓄積し活用することで、昭和基地周辺の気象や気候変動の解明に繋がります。南極観測はこつこつした観測の積み重ねです。

(JARE65 山岡麻奈美)