極夜の雪尺観測

気象部門では、昭和基地周辺の積雪状況を把握するため、継続して積雪の深さの変化量を計測しています。前回3月にも紹介しましたが、今回は極夜期、暗い中で行う雪尺観測に同行してきました。極夜期の朝10時、地平線から少し上の部分がぼんやり明るいですが、空全体は暗い夜のようです。

昭和基地から北側の空、午前10時ごろ撮影
撮影:JARE64 白野亜実(2023年6月21日)

基地の目の前の北の浦にある観測ポイントまで海氷上を歩いて向かいます。いつもの通り、海氷上を歩くときはゾンデ棒を使って、割れ目など危険な箇所がないか確認しながら歩きます。

足元をライトで照らし、行く先の安全を確認しながら海氷上を進む
撮影:JARE64 白野亜実(2023年6月21日)

雪尺観測では、雪面から竹竿の目印までの高さを測り、積雪の深さを把握します。暗くて目盛りを読むのがなかなか難しい様子でしたが、気象部門の西巻隊員は9箇所ある観測ポイントそれぞれで丁寧に数値を読み取っていました。

雪面から伸びる竹竿の目印までの高さを測るところ
撮影:JARE64 白野亜実(2023年6月21日)
北の浦の雪尺観測ポイントから見た基地主要部
撮影:JARE64 白野亜実(2023年6月21日)

極夜期には昭和基地のある東オングル島を離れて観測や作業に出ることができないので、普段自分の居る基地主要部の建物を少し離れたところから見るのも久しぶりでした。極夜は7月中旬まで続きます。真冬の昭和基地での観測隊員の活動をもう少しお届けしていきたいと思います。

JARE64 白野亜実) 

ゾンデ棒薄い海氷や海氷上の積雪に隠された割れ目など、危険個所の有無を確認するために使用する金属製の棒。

極夜前の雪尺観測の記事もご覧ください↓
雪尺観測(2023年3月27日)