ラングホブデ雪鳥沢での観測

1月20日~22日、昭和基地周辺の露岩域のうち、ラングホブデ雪鳥沢で陸上生態系変動モニタリング観測を行いました。(※昭和基地周辺の露岩域についてはこちらの記事もご覧ください)

ラングホブデ雪鳥沢は、1987年に南極特別保護区に設定されて以来、コケ類や地衣類(藻類と共生する菌類の仲間)の定点観測を継続して行っています。コケ類や地衣類が繁茂している場所を攪乱しないよう区画を設け、定期的に写真撮影し、変化の有無を記録し続けています。

また、ラングホブデ雪鳥沢は、その名の通りユキドリの生息地でもあります。ユキドリの排泄物や遺体はバクテリアによりゆっくりと分解され、コケ類と地衣類に必要な栄養分の主要な供給源として重要な役割を果たしています。南極の厳しい環境下で、沢には水が流れ、ユキドリが棲み、コケ類や地衣類が繁るといったシンプルな生態系が広がっていることに感動するとともに、ここを保護区として不必要な人的介入から守ることの大切さを再認識しました。

南極特別保護区であることを示す看板 雪鳥沢に沿って黒丸で示された植生を定点観測している
撮影:JARE64 白野亜実(2023年1月21日)
観測の際はできるだけ地面を荒らさないよう一列で歩く
撮影:JARE64 白野亜実(2023年1月21日)

定点観測を行う区画でコケ類と地衣類の撮影
撮影:JARE64 白野亜実(2023年1月21日)

雪鳥沢沿いに繁茂するコケ類 南極では珍しく地面に緑が見られる
撮影:JARE64 白野亜実(2023年1月21日)

雪鳥池をバックに記念撮影 沢沿いを歩いてフィールド観測を満喫しました
撮影:JARE64 芹澤将也(2023年1月21日)

JARE64 白野亜実)