昭和基地周辺の露岩域紹介

今回は、観測隊が活動する昭和基地周辺のいくつかの露岩域をご紹介します。

紹介する4か所の露岩域と昭和基地の位置関係を示した図(作成:極地研広報室、写真撮影:JARE64 山口真一)

■ラングホブデ(ノルウェー語で「長い丸丘」の意味)
ラングホブデは昭和基地の南方約20kmの位置にあり、標高378mの長頭山がそびえています。観測隊の野外活動が特に活発な露岩で、「南極特別保護地区」に指定されている雪鳥沢では、蘚苔類や地衣類の植生変化のモニタリングを行っています。また、水くぐり浦や袋浦にはアデリーペンギンのルッカリー(営巣地)があり、個体数調査や生態調査を行っています。

水くぐり浦のアデリーペンギンのルッカリー
撮影:JARE64 山口真一(2023年1月2日)
子育ての真っ最中です
撮影:JARE64 山口真一(2023年1月2日)

■スカルブスネス(ノルウェー語で「鵜の岬」の意味)
スカルブスネスは昭和基地の南方約50kmの位置にあります。きざはし浜小屋という観測小屋があり、長期間滞在しての観測も可能です。氷河が削った谷には湖が点在しています。64次隊では計画がありませんでしたが、湖の潜水調査などが行われることもあります。

ヘリコプターの後ろにきざはし小屋
撮影:JARE64 山口真一(2023年1月2日)
谷底には湖ができています
撮影:JARE64 山口真一(2023年1月2日)

■テーレン(ノルウェー語で「凍土」の意味)
テーレンは昭和基地の南方約70kmの位置にあります。3~4kmほどの小さな露岩地域で、テーレン氷河とスカーレン氷河の2つの氷河に挟まれています。

テーレン(中央)を遠方より空撮。露岩域の両側に氷河があります
撮影:JARE64 山口真一(2023年1月5日)
テーレンの露岩風景。右側に小さな池があり、左側には氷河が迫っている。
撮影:JARE64 山口真一(2023年1月5日)

■ルンドボークスヘッタ(ノルウェー語で「丸湾帽子(岩)」の意味)
昭和基地より南方に約100kmの位置にある露岩域です。アニメの主人公たちが訪れたことで有名な場所です。見覚えありませんか?

多くの穴が開く南極特有の風化した岩肌
撮影:JARE64 山口真一(2022年12月23日)
南極氷床の断面が見えます
撮影:JARE64 山口真一(2023年1月2日)

(JARE64 山口真一、極地研広報室)