スーパープレッシャー気球による大気重力波観測

スーパープレッシャー気球(SPB)は、ほぼ一定の高度を長期間にわたって浮遊する特殊な気球です。新たな観測プラットフォームとして注目されていますが、これまで日本では実現していませんでした。今回、新たに開発したSPBと観測装置を202216日、24日、26日にそれぞれ南極の昭和基地から放球し、高度19km付近の大気重力波観測に挑戦しました。

1回目の放球については「スーパープレッシャー気球、昭和基地から打ち上げ」の記事をご覧ください。

目標は10日以上にわたって上空を浮遊させることでしたが、残念ながら3機とも4日以内に地上に落下し、目標達成とはなりませんでした。しかし、ここからSPBと観測装置を改良し、よりよい観測を実現するための第一歩は踏み出すことができました。来年度から始まる第Ⅹ期6か年計画では、越冬期間中のSPB観測も実施する予定です。第Ⅹ期計画の内容はこちらをご覧ください。

SPBのガス充填作業の様子 撮影:JARE63 菊池健生(2022年1月22日)
SPBをCヘリポートへ移動 撮影:JARE63 菊池健生(2022年1月22日)
SPBの放球作業メンバー 撮影:JARE63 馬場健太郎(2022年1月6日)
SPBの放球 撮影:JARE63 菊池健生(2022年2月4日)

(JARE63 冨川喜弘