63次隊では、夏期間に3回、スーパープレッシャー気球(SPB)による南極上空の大気観測が予定されています。
この気球には気象観測装置が搭載されており、南極大陸や周囲の南極海上空の高度19km付近を飛揚しながら、衛星通信を通じて観測データの地上への送信や地上から気球への命令を送ることができます。
国内での気密試験とガス充填訓練の様子は以下をご覧ください。
・気密試験 宙空圏研究グループのウェブサイト
・ガス充填訓練の様子 極地研Twitter
1月6日、昭和基地で1回目の放球が行われました。
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撮影:JARE63 馬場健太郎(2022年1月6日)
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撮影:JARE63 馬場健太郎(2022年1月6日)
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撮影:JARE63 馬場健太郎(2022年1月6日)
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撮影:JARE63 馬場健太郎(2022年1月6日)
その後、約3日間に渡る所定高度でのフライトの後、観測基地の多いラルスマンヒルズ地域から十分離れた時点でガスを抜く命令コマンドを送信し、1月9日、デービス基地(オーストラリア)の東、約270kmの氷床上に降下(落下)し、1回目の観測は終了となりました。
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1回目の観測では、放球から着陸に至るまで、飛揚している間のすべてのデータが正常に受信され、貴重なデータが得られました。
フライトは上空の風の強さや方向に左右されますので、他国の航空機などの運用に影響が出ないよう注意が必要です。また、放球は地上の天候がよい時でないと実施できません。様々な制限のあるなかで、残り2回の放球に向けて準備が進められています。
(国立極地研究所 広報室、南極観測センターオペレーション支援室)