ドーム旅行中の移動 

前回の記事「ドーム旅行中の1日の生活」に続いて、移動中の様子をご紹介します。

内陸旅行出発拠点のS16からドームふじまでの道のりは約1000kmです。この道のりを時速910kmの雪上車で多数の橇を引きながらとことこ進んでいきます。1日に移動する時間は10時間程度。車両のトラブルや定点での観測が無ければ、休憩を踏まえて1日約80~90kmのペースでした。このペースでS16からドームふじまでの片道を23週間かけてひたすら走っていきます。この記事では走行中の車両の写真をお届けします。

最後尾の観測車両から見える前方の車両です。天候悪し
撮影:JARE63 本山秀明(2021年12月7日)
橇を引く雪上車SM106号車。手前から第3期ドームふじ氷床深層掘削計画で使用する南極移動基地ユニットの居住モジュール、箱ぞり(生活物資など簡単に積み込める便利な橇)、燃料搭載の2t橇が2つ。
撮影:JARE63 井上崚(2021年12月26日)
黒煙を上げる車両ら。橇が重く、雪面が柔らかい場合に頑張ってアクセルを踏むなどすると黒煙を上げます。
撮影:JARE63 本山秀明(2021年12月28日)
蛇行する車両ら。急角度のカーブや先頭車両がナビゲーションに迷走すると最後尾から前方の車両らが良く見えます。
撮影:JARE63 本山秀明(2021年12月16日)
車両のトレース。中継拠点からドームふじまでは軟雪帯が続きます。雪が柔らかく履帯が空回りします。走ったあとは右側のトレースのように深い溝ができ、走りにくいです。今回は1回目の往復で走ったトレースは硬くなっており、走りやすいという発見がありました。左側のトレースのように深い溝ができることはありません。
撮影:JARE63 井上崚(2022年1月3日)
吹雪の時の走行の様子。すぐ前方にいる車両と橇がほとんど見えませんでした。このような場合、ドライバーの体力を消耗しますし、衝突のリスクやロストポジションのリスクもありますので、本来車両停止や早めのキャンプインを選びます。実際にこの後はキャンプインし、走行を中断しました。
撮影:JARE63 井上崚(2021年12月6日)
雪を掻く圧雪車PB300。
撮影:JARE63 井上崚(2021年12月25日)
PB300の車内から。本旅行ではサスツルギ帯の均しなどを目的にPB300を1往復目では2台、2往復目では1台、使用しています。先頭で道を均してくれると後方のSM100は大変走りやすくなり、走行速度が下がりません。このほかに牽引力も大きいですし、曲がりやすいことから橇の引き回しにも優れるなど、オペレーターの鶴野隊員とともに大活躍です。ブレードを使って橇を押したり、雪を掻いて橇を簡単に引き出したり、埋没した観測用橇を掘り出すなど、あっという間に作業を終わらせてくれます。一方でブレードがあるためホワイトアウトの際にはSM100よりもトレースが見えにくいという弱点もありました。
撮影:JARE63 井上崚(2021年12月27日)
PB300のドライバーの手。走行のハンドリングとブレードの操作をそれぞれ左手と右手で行うため、走行中は両手が拘束されます。そのため、SM100の運転よりも消耗します。お疲れ様です。ありがとうございます。
撮影:JARE63 井上崚(2021年12月27日)

JARE63 井上崚)