日本時間1月15日午後1時頃に南太平洋トンガ沖で発生した海底火山の噴火の影響と思われる気圧変化が、南極で観測されました。
昭和基地および南極大陸の氷床上では気象観測が行われており、今回、昭和基地と南極大陸の4地点(ドームふじ近傍(NDF地点)、ドーム中継拠点(MD364)、MD78地点、H128地点)で、トンガでの火山噴火の影響と思われる気圧の変化が確認されています。
2022年1月15日の昭和基地の気圧データでは、火山噴火のおよそ9時間後に顕著な変化が見られました。
昭和基地では気圧、気温、相対湿度、風向・風速、全天日射量、日照時間、積雪の深さを連続観測し、そのデータは気象庁のウェブサイトで公開されています。
また、南極大陸上のドームふじ近傍(NDF地点)、ドーム中継拠点(MD364)、MD78地点、H128地点に設置された自動気象観測装置(AWS)でも、火山噴火のおよそ9時間後から、トンガに距離の近い地点から順に、顕著な変化がみられました。
火山噴火からおよそ27時間後にも顕著な変化がみられていますが、こちらは距離の遠い地点から順に変化がはじまっており、地球の反対周りで届いた波形と思われます。
63次隊では2往復のドーム旅行が実施されており、1往復目のチームにより、AWSのメンテナンスが実施されたばかりでした。
今後も膨大な氷(氷床)でおおわれている南極大陸の質量の増減(質量収支)を明らかにすることや、温暖化の影響の検出をするため、南極での気象観測は続けられます。
(極地研広報室)
≪続報≫
南極大陸のデータでは、第1波の気圧変化のおよそ36時間後に、
2022年1月21日(極地研広報室)