夜遅くでも薄明るくなってきた昭和基地。綺麗な星空やオーロラを見る機会がめっきり減ってきましたが、その代わりに?いろいろなお客様がやって来るようになりました。
まず現れたのはコウテイペンギン。越冬初期の頃にはアデリーペンギンが昭和基地に来ることがありましたが、コウテイペンギンは62次隊が越冬してからは初のお目見えです。通信室から一報が入ると、多くの隊員がカメラを持って駆けつけました。
その数日後に昭和基地を訪れたのは、コウテイペンギンより一回り小さいアデリーペンギン。毎年この時期になると、昭和基地のある東オングル島の周辺にルッカリー(営巣地)を作ることが知られており、そこへの移動の最中だと想像されます。
こちらは先のコウテイペンギンとは違い、団体での訪問でした。
そして最近昭和基地にやってきたのがこちら。
先日の記事「DROMLAN滑走路整備」でご紹介したDROMLANです。滑走路は先日紹介した、S17だけでなく、昭和基地近くの海氷上にも整備されており、日本の観測隊だけでなく、様々な国の観測隊も利用することがあります。
今回は、ロシアの観測拠点の1つであるノボラザレフスカヤ基地(ノボ基地)から、同じくロシアのプログレス基地までの移動途中で給油のための立ち寄りでした。新型コロナウイルス感染対策のため、直接触れ合うことはできませんでしたが、夏隊を見送った1月下旬から数えて約9か月振りに越冬隊31名以外の人に会うことが出来ました。
見慣れない物体に興味を示したのか、近くにいたアデリーペンギンも集まってきました。
現在ノボ基地では、63次隊の先遣隊がS17への移動に向けて準備を進めています。63次隊の本隊は、出発前の2週間の隔離期間に入っており、いよいよ出発が間近に迫っています。
前次隊の61次隊に温かく迎えられたのが昨年の12月。あっという間に今度は次の隊を迎え入れる番になりました。31人だけでの生活がもうすぐ終わることを実感します。
(JARE62 金城順二)