DROMLAN滑走路整備

通常、昭和基地に来るためには2つの手段があります。1つは南極観測船「しらせ」に乗って来る方法です。「しらせ」は1年に1回日本と南極を往復し、隊員や物資を運びます。「しらせ」乗船中の様子はこちらをご覧ください。
そして、もう1つの手段が、DROMLANDronning Maud Land Air Network/ドロンイングモードランド航空網)を利用する方法です。DROMLANの詳しい説明はこちらをご覧ください。

昭和基地の周辺に、日本のような舗装された滑走路はありませんので、氷上を整備して滑走路を造ります。
1020日~22日にかけて、南極大陸にあるS17と呼ばれる場所に、滑走路整備に行ってきました。

まずはコンパスを使い、主風向と平行か確認しながら、滑走路の四隅に旗を立てます。
撮影:JARE62 金城順二(2021年10月20日)

四隅が決まったら、滑走路の端に100mおきに黒い旗を立てていきます
撮影:JARE62 金城順二(2021年10月20日)

旗を立て終わったら、ブレードの付いた雪上車で軽く雪面を均します。その後、雪上車でひたすら往復し、雪面を踏み固めます。

雪上車で往復して雪面を踏み固める
撮影:JARE62 赤松澪(2021年10月21日)

滑走路が出来たら、同じように誘導路を造り、燃料補給用のドラム缶を搭載した橇を置きます。

誘導路に置かれた燃料橇(写真右の2台)
撮影:JARE62 赤松澪(2021年10月21日)
真ん中に吹き流しを立てて完成
撮影:JARE62 赤松澪(2021年10月21日)
完成した滑走路 
撮影:JARE62 赤松澪(2021年10月21日)
完成記念にメンバーで記念撮影
撮影:JARE62赤松澪(2021年10月21日)

3日間かけて、幅70m、全長1000mの滑走路が完成しました。現在南アフリカで隔離中の63次隊(先遣隊)のメンバーは、DROMLANを使ってこの滑走路に降り立ち、車両や橇の準備を整え、ドームふじ基地を目指して出発する予定です。62次隊からも3名の隊員が参加を予定しており、いよいよ別れが近づいていることを実感します。

(JARE62 金城順二)