63次隊では第3期ドームふじ氷床深層掘削に向けたドームふじへの物資輸送旅行が2回計画されています。我々先遣隊はドームふじへの1回目の輸送を行うために、本隊よりも一足早く南極に向かいました。
10月13日に日本を出国し、ケープタウンにて2週間の隔離生活を過ごしました。その後、予定より1日遅れで10月30日6時30分(UTC)(現地時間8時30分)過ぎにケープタウンを飛行機で出発し、11時55分(UTC)にロシアのノボラザレフスカヤ(以下、ノボ)滑走路に到着しました。
南極大陸内の基地を結ぶ航空網であるDROMLANで現在活動している機体は今年はまだ1機(例年は2機)しか稼働していません。研究者を乗せたフライトは、最初にプログレス基地(ロシア)行きのロシア隊フライト、その次に昭和基地方面へ向かう我々日本隊フライトの順でした。
しかし、プログレス基地方面の天候が悪く、ロシア隊はノボ滑走路で足止めをくらっていました。我々がノボ滑走路に到着した時点でも、プログレス基地方面の天候が悪いままであったので、日本隊のフライトが先行されると伺っていました。
一度、日本隊フライトが11月1日に予定されたのですが、プログレス基地方面の天候が回復したため、ALCI(DROMLANの運営会社)の判断で当初の予定通り、プログレス基地行きフライトが先に実施されました。
11月1日の明朝には、その後我々も搭乗するバスラーターボ機がプログレス基地へ飛び去って行きました。
ノボ滑走路での滞在時間が長引いているため、観測装置を取り出して動作確認やルート上での観測シミュレーションを行っています。フライトの待機で時間が生まれても、各隊員が有効に時間を使い、観測準備などを進めています。
我々の物資を積み込んでくれることを期待しましたが、先にロシア隊を乗せてプログレス基地へと飛び立ちました。
11月2日にはプログレス基地からノボ滑走路にバスラーターボ機が帰ってきました。午前11時にALCIから突然連絡が入ります。バスラーターボ機が帰ってきたらそのまま昼過ぎに出発する、とのことです。急いで準備をするも、パイロットが日本隊の目的地S17方面の天候が悪く着陸が難しいと判断したのか、結局12時30分にフライトがキャンセルされました。このように先遣隊はフライト実施の可否に左右されながら、バタバタとノボ滑走路で過ごしています。早くS17に到着し、ドームふじ旅行を開始したいものです。。。
(JARE63 井上崚)
63隊の位置情報は国立極地研究所 南極観測ウェブサイト「観測隊はいまどこ?」をご覧ください。