連日のブリザード

先日の「久しぶりの晴天、そしてオーロラ」では、快晴の昭和基地と綺麗なオーロラの様子をお届けしました。

しかし、その後またブリザードがやってきて、514日(金)の夜から外出注意令が発令され、禁止令への格上げや一時的な解除はありましたが、現時点(521日(金)13:00)まで継続して注意令が発令されています。

※外出注意令・・・視程1km未満、風速15m/s以上を基準として発令。屋外にいる隊員は直ちに非常食のある近くの建物に避難する。注意令発令中の建物間の移動は事前に隊長の許可を取り、2名以上で行動、出発・到着時には通信室に連絡を入れる。

※外出禁止令・・・視程100m未満、風速25m/s以上を基準として発令。発令時にいる建物からの移動は原則禁止となる。

ほぼ1週間に渡ってほとんど外出できない日が続いていますが、観測や基地維持のために、外出せざるを得ない隊員もいます。
まずは、気象隊員。気象観測は24時間365日継続して行われており、通常は5人の隊員がシフトを組みながら観測を行っています。外出注意令中でも当番交代のための移動が許可され、視界が悪い中観測機器等が置かれている基本観測棟に出勤することがあります。過酷な通勤の様子がこちらの動画です。

撮影:JARE62 赤松澪(2021515日)、編集:JARE62 金城順二

また、以前紹介した「VLBI観測」も、今回のブリザード中(17日(月)19:3018日(火)19:30(いずれも昭和基地時間))に実施されました。
外出注意令の中、24時間観測を行わなければならない上、18日の朝からはさらに天候が悪化し外出禁止令となったことにより、担当隊員が主要部に戻ってきたのは19日(水)の朝でした。

ブリザードでできたドリフト(吹きだまり)を上り衛星受信棟に向かう隊員
撮影:JARE62 西村 祐香(2021年5月17日)

 

21日(金)の午前中には一時的に視程が良くなり注意令が解除され、点検や除雪に屋外に出る隊員もいましたが、1週間で地形が変わるほどの雪が積もっていました。

ドアの前に積もった雪を掻く隊員
撮影:JARE62 金城 順二(2021年5月21日)
1週間のブリザードで積もった雪(倉庫棟2階から撮影)
撮影:JARE62 金城 順二(左:2021年2月22日 右:2021年5月21日)

 

その2時間後には再び天候が悪化して外出注意令が発令されました。531日以降は日が昇らない極夜に突入します。それまでに太陽の姿を見ることはできるのでしょうか?早く天気が回復することを祈るばかりです。

(JARE62 金城 順二)