昭和基地では、観測データの送受信や隊員間の情報共有、日本で待つ家族や関係者との連絡など、日々の活動の多くがインテルサット衛星を介した通信設備によって支えられています。
この通信設備は、安定した運用を継続するためにA系統・B系統の二重構成(冗長化)となっています。どちらか一方に不具合が生じても、もう片方がバックアップとして機能する仕組みです。さらに昭和基地では、半年ごとにA系からB系へ、またB系からA系へと運用系を入れ替える「系切替」を行っています。定期的に両方の系統を実際の運用に使うことで、設備のが健全に動作しているいかを確認し、通信基盤の信頼性を高い状態に保っています。この「系切替」は、昭和基地の通信を安定して維持するために欠かせない、重要な保守作業のひとつです。
撮影:JARE67島田裕美(2026年9月26日)
この作業は、インテルサット制御室と管理棟通信室に分かれて同時に実施する必要があるため、多目的アンテナ担当の正木隊員の支援を受けながら行いました。
撮影:JARE67 深水千夏子(2026年8月4日)
系切替作業は、例年であれば一連の工程を1日で実施します。しかし今シーズンは、ブリザードが数日おきに発生し、基地内各所の除雪作業などへの対応が必要となったため、終日にわたる作業日を確保することが難しい状況でした。そのため、限られた好天日を活用しながら半日ずつ二日間に分けて作業を行うこととし、1日目はインテルサット設備の送受信系の切替を実施し、2日目はパラボラアンテナの制御系設備の切替を行いました。
撮影:JARE67島田裕美(2026年9月26日)
次の系切替は来年1月に実施する68次隊との引継ぎです。越冬生活も気が付けば後半を迎え、時間の流れの早さを実感しています。68次隊へ万全の状態で引き継げるよう、それまで昭和基地の重要な通信基盤を維持し、安定した通信サービスの提供に努めてまいります。
(JARE67 島田裕美)


