訓練2日目となる9月23日は、朝から天候に恵まれ、予定していた各種訓練が順調に進められました。海面も比較的穏やかで、観測・航海訓練に適した一日となりました。
撮影:JARE68 矢吹裕伯(2026年9月23日)
● 8の字航行訓練
午前中は「8の字航走」から訓練が始まりました。8の字航走とは、その名の通り船を大きな“8の字”に航行させ、360°全方位の磁気データを取得する作業です。得られたデータは磁力計のキャリブレーション(校正)に用いられ、観測機器の精度を確保するうえで欠かせない工程となっています。航行中、船尾からはきれいな航跡が広がり、海面に描かれる大きな弧が8の字の形を示していました。
撮影:JARE68 矢吹裕伯(2026年9月23日)
● EM装置設置訓練
続いて、船舶・波浪チームによる EM(電磁誘導式海氷厚測定装置)の設置訓練が行われました。この訓練に向け、チームは前日の22日夕方から夜にかけて装置の準備を進めており、装置の点検や吊り下げ用器具の確認など、細かな作業を慎重に進めていました。EMは「しらせ」の舷側に吊り下げて使用する装置で、全長は約3m。装置の両端から電磁場を発生させ、氷と海水の境界までの距離を測定します。さらにレーザー測距計で雪氷表面までの距離を測り、その差から氷厚を求める仕組みです。南極域での海氷観測に欠かせない重要な装置であり、正確な設置と校正が求められます。吊り下げ作業は「しらせ」乗員の協力のもと実施されました。装置は重量があり、海面近くまで安全に降ろすためには大掛かりな器具と複数名の連携が必要です。今回はキャリブレーションの一環として、吊り下げ高さを段階的に変化させる訓練も行われ、装置の反応や測定値の変化を確認しながら作業を進めました。
撮影:JARE68 矢吹裕伯(2026年9月23日)
訓練中は風や波の状況を見ながら慎重に作業が進められ、隊員は南極での本航海での運用を想定しつつ、装置の扱い方や安全手順を改めて確認しました。
(JARE68 矢吹裕伯)


