訓練航海(その1)

JARE68の訓練航海は、当初の予定では 9月21日朝に横須賀を出発する計画でした。しかし台風25号の接近に伴い、出発は1日前倒しとなり、20日午後に「しらせ」が横須賀を離れることになりました。訓練航海に参加する隊員は、大雨の降る中、横須賀駅前の海上自衛隊 横須賀地方総監部正門に集合しました。集合時間の13時頃には雨脚が強まり、参加者は雨に濡れながら順次「しらせ」へ乗船しました。

台風の影響は航海計画にも及びました。当初、海洋観測は相模湾および三陸沖で実施する予定でしたが、すべての訓練海域を北海道西方沖へ変更することとなりました。「しらせ」は台風を避けるため北上を続け、21日夜に津軽海峡を通過、22日9時頃に訓練予定海域へ到着しました。

22日早朝積丹半島沖に到着しました、“天気晴朗なれど波高し”
撮影:JARE68 矢吹裕伯(2026年9月22日)

22日午後、海洋観測の各種訓練が始まりました。
● 海底圧力計(OBP)の投入・回収訓練
海底圧力計は海面の水位変動を長期間連続で観測する装置で、通常は投入後1年以上にわたり海底でデータを取得します。今回は訓練のため、船上で信号を切り離し信号を送信し、その後の手順を確認したうえで投入を実施しました。回収訓練では、浮上してきたセンサーを乗員・観測隊員総出で捜索し、船上へ引き上げる一連の作業を確認しました。

OBPの投入前の最終確認を行う隊員(左)、投入のため吊り下げのフックをつけられたOBP(右)
撮影:JARE68 矢吹裕伯(2026年9月22日)
海上に浮上しているOBPを探す「しらせ」乗員・観測隊員一同(左)、「しらせ」右舷側で釣り上げを待つOBP(右)
撮影:JARE68 矢吹裕伯(2026年9月22日)

● プランクトン調査用機器の投入・回収訓練
海中のプランクトンを採取するため、ノルパックネット、がま口ネット、CPR(Continuous Plankton Recorder)の投入・回収訓練を行いました。各ネットの特性に応じた操作手順を確認し、安全な運用方法を共有しました。

ノルパックネットの投入(左)、CPRの投入(右)
撮影:JARE68 矢吹裕伯(2026年9月22日)

● CTD観測および海水サンプル採取訓練
海中の水温・塩分・密度を各深度で測定し、任意の深さの海水を採取できる CTD の投入・回収訓練も実施しました。今回は、採取した海水を自動的にサンプル瓶へ分配するロボットの動作確認も併せて行い、観測作業の効率化に向けた検証を進めました。

CTDの投入(左)、CTDで採集して海水サンプルを自動的にサンプル瓶へ配分するロボット(右)
撮影:JARE68 矢吹裕伯(2026年9月22日)

(JARE68 矢吹裕伯)