野外安全行動訓練

3月11日、野外で安全に活動するための訓練として、東オングル島内で野外安全行動訓練が実施されました。

3月に入り、昭和基地では越冬期間に向けた準備が本格的に進んでいます。これから日照時間は徐々に短くなり、やがて極夜を迎えます。越冬期間中は昭和基地周辺での野外活動の機会も徐々に少なくなりますが、いざという時に備え、日頃から野外での安全行動を身につけておくことが重要です。

今回の訓練には7名の隊員が参加し、野外観測支援担当の西村隊員の指導のもと、3名ずつの2班に分かれて行動しました。各班はGPS、コンパス、地図を携行し、これらを用いて現在地や進行方向を確認しながらルートを進みます。

防寒対策と装備を整え、いざ出発!
 撮影:JARE67 鎌田隆雅(2026年3月11日)

当日は晴天に恵まれ、穏やかな天候の中、13時頃に昭和基地を出発しました。
今回の訓練エリアは東オングル島の西側半分です。アンテナ島から西の浦、北見浜、中の浦、貝の浜を通過し、その後、胎内岩を経由してみどり池を渡り、昭和基地へ戻る行程で実施されました。

対岸の南極大陸と海氷
 撮影:JARE67 北郷実(2026年3月11日)

今回使用したGPSには、事前に設定された通過ポイントのみが記録されており、ルートはそれらのポイントを直線で結んだ形で表示されます。そのため、実際の行動では、海や海氷、岩場、地形、雪面の状況を確認しながら、実際に通行可能なルートを各班で判断して進む必要があります。地図やコンパスを併用して現在地を確認し、周囲の地形を読み取って行動することで、昭和基地周辺の地理を理解するとともに野外行動の基本を改めて確認しました。

GPSとコンパス、地図を使って現在地を確認
 撮影:JARE67 鎌田隆雅(2026年3月11日)

昭和基地周辺は一見すると歩きやすそうに見える場所でも、岩場や凍結した雪面など思わぬ危険が潜んでいることがあります。今回の訓練では班ごとに声を掛け合いながら地形や目標物を確認し、安全に行動するための基本を一つひとつ確認しました。
同訓練については、今後、全越冬隊員が参加できるように実施されます。

訓練中の様子1(雪上)
 撮影:JARE67 矢萩智裕(2026年3月11日)
訓練中の様子2(雪上)
 撮影:JARE67 鎌田隆雅(2026年3月11日)

訓練中の様子3(露岩)
 撮影:JARE67 北郷実(2026年3月11日)

訓練中の様子4(海岸沿い)
 撮影:JARE67 鎌田隆雅(2026年3月11日)
訓練中の様子5(氷の裂け目)
 撮影:JARE67 鎌田隆雅(2026年3月11日)

なお、この日は東日本大震災から15年となる節目の日でもありました。遠く南極の地にあっても、自然と向き合う環境にいる私たちにとって、「備えること」は日々の基本です。自然の前では決して油断せず、日々の訓練と備えを積み重ねながら、安全を第一に越冬生活を送っていきたいと思います。

(JARE67北郷実)