トッテン氷河沖の氷山と生き物

昭和基地を離れてから南極観測船「しらせ」は東へと進み、私たち66次越冬隊は自身の担当する観測のほか、67次夏隊の海洋観測の支援や、各種報告書の作成などをして過ごしています。そんな中、「しらせ」の甲板から印象的な氷山や生き物を見ることができました。

復路出発直後は予測通り曇りがちな天気でしたが、次第に晴れてトッテン氷河沖周辺に着いた頃にはとても気持ちの良い天気が続きました。昭和基地がある東オングル島周辺にも海氷が解けて海が開けた際には沢山の氷山が流れ着きますが、いずれも尖った山状のものか、雪を被った丸みがあるものばかりでした。同じ南極であるトッテン氷河周辺の氷山は印象が大きく異なり、巨大な棚氷から生み出された、平らなテーブル状のものが多くみられました。氷山の流れ出す過程が違っていることがよく分かります。

巨大な氷山が次々と流れる
撮影:JARE66 米村幸司(2026年2月9日)
内部が削られた箇所が薄く青く光っているように見える
撮影:JARE66 米村幸司(2026年2月9日)
氷山の壮大な風景が広がっている
撮影:JARE66 米村幸司(2026年2月9日)
参考:昭和基地周辺の景色
撮影:JARE66 米村幸司(2026年1月11日)

氷山の荒々しい印象とは裏腹にペンギンやアザラシ、カモメやクジラまで豊かな生態系を感じることができました。海洋観測にて泥と一緒に魚や貝、ナマコなどの沢山の生物が捕獲されていましたが、海中にはオキアミなどのさらに小さな生物が豊富に存在するものと思われます。今後海洋観測によって得られたデータにて、より詳しい東南極の様子が解明されることを期待したいと思います。当初はトッテン氷河周辺での海洋観測は往路にて行われるはずでしたが、昭和基地周辺の海氷状況の悪化により輸送を優先すべく、復路に行われています。それにより貴重な機会が得られたことに感謝したいと思います。

「しらせ」に並走する形で優雅に泳いでいたクジラ
 撮影:JARE66 米村幸司(2026年2月7日)

クジラは尻尾を上げて潜っていきました
撮影:JARE66 米村幸司(2026年2月7日)
大きな氷で昼寝中だったアザラシ
撮影:JARE66 米村幸司(2026年2月9日)
南極の3種の鳥 コウテイペンギン、アデリーペンギン、カモメ(見つけられるかな?)
撮影:JARE66 米村幸司(2026年2月11日)
同じ氷にコウテイペンギンとアデリーペンギン
画:JARE66 米村幸司(2026年2月11日)

トッテン氷河沖の氷山と生き物
撮影:JARE66 米村幸司(2026年2月11日)

(JARE66 米村幸司)