南極からの選挙

昭和基地と南極観測船「しらせ」船上にて、南極からの選挙(南極投票)が行われました。

1.昭和基地編(2026年2月2日)

2月2日(月)、南極の昭和基地にて第51回衆議院議員総選挙及び第27回最高裁判所裁判官国民審査に係る南極投票が行われました。

南極投票は、公職選挙法上の不在者投票制度に位置付けられ、「国の行う南極地域における科学的調査の業務を行う組織に属する選挙人が、ファクシミリによって投票する制度」とされており、昭和基地に滞在する南極地域観測隊も国政選挙については、大切な1票を投票することができます。
総務省|投票制度

投票方法がファクシミリとなること以外は日本国内で行う選挙と大きな変化はないですが、隊員たちは「南極の昭和基地に仮設される投票所へ赴き、投票を行う。」といった、非常に貴重な体験をしました。

今回の第67次越冬隊の南極選挙人は、投票管理者となる江尻越冬隊長の指示のもと、小選挙区・比例区・国民審査の3枚の投票用紙に必要事項を記載した上で、日本国内の担当選挙管理員会へ向けてファクシミリで投票を行いました。投じられた票については、担当選挙管理員会によって各隊員の住民票のある市区町村選挙管理委員会へ送られます。
送信を終えた投票用紙は、一つひとつ封筒へ入れ、投票管理者へ提出を行い大切に保管され、観測隊が日本へ帰国した際に原本を提出する形となります。

投票用紙交付場所の隊長室(左)と投票所の通信室(右)
 撮影:JARE67 鎌田隆雅(2026年2月2日)
不在者投票管理者の越冬隊長と南極投票を行う隊員
撮影:JARE67鎌田隆雅(2026年2月2日)
交付後の各投票用紙に記載する隊員
 撮影:JARE67鎌田隆雅(2026年2月2日)
投票用紙はファクシミリを用いて投票されます
 撮影:JARE67鎌田隆雅(2026年2月2日)

ファクシミリ送信を終えた投票用紙は封筒に入れ投票管理者へ提出します
 撮影:JARE67鎌田隆雅(2026年2月2日)

南極投票を終えた隊員にいくつか質問をしてみました。
Q.なぜ出発前に日本での投票の手続きをしようと思いましたか。
A.記念ですかね。また、南極投票を行うために必要な「南極選挙人証」を見てみたかった。

Q.投票者はどのように候補者の情報を得るのか。
A.インターネットで選挙のHPをみて確認しました。

Q.どのような思いで一票を投じたか。
A.日本から離れた南極でも日本国民としての権利を行使できるという思いを感じながら投票しました。

Q.南極投票は初めてか。新鮮に感じたことや国内での投票との違いなど。
A.初めてです。国内だと気軽に投票所にいけるのですが、南極投票となると日本と時差もあり、事前調整など多くの時間・人手を要するため非常に大変なことだと感じました。

2.南極観測船「しらせ」編(2026年2月1日)

南極観測船「しらせ」船上でも2月1日(日)に南極投票が行われました。

南極観測船「しらせ」船内に設置された投票用紙交付場所
 撮影:JARE67 池田未歩 (2026年2月1日)

「しらせ」から投票した66次気象担当の梶原隊員は「国内でも欠かさず投票していて、南極でもその仕組みがあるのなら是非にと思った」とのこと。66次の越冬隊員は越冬期間中にも昭和基地で参院選への南極投票を行なっているので、「しらせ」と昭和基地の両方を経験したことになります。

隊長から投票用紙の交付
 撮影:JARE67 池田未歩 (2026年2月1日)
南極投票の投票用紙。小選挙区・比例代表・国民審査の3枚です。
 撮影:JARE67 池田未歩 (2026年2月1日)
別室の投票所で投票用紙への記入
撮影:JARE67 池田未歩 (2026年2月1日)

FAXで投票用紙の送信
撮影:JARE67 池田未歩 (2026年2月1日)

すこし手間はかかりますが、多くの方の協力のおかげで南極投票が成り立っています。実際の選挙の場では日本からの一票も南極からの一票も違いはありませんが、かかる手間の分一票への重みをより強く実感できるイベントとなりました。

(昭和基地編 JARE67鎌田隆雅)

(南極観測船「しらせ」編 JARE67池田未歩)