12月31日の大晦日、昭和基地から南に約50kmにある露岩域のスカルブスネスを拠点に活動しているペンギンチームの観測に同行しました。現在活動中のペンギンチームは3名で、毎日キャンプ地のあるきざはし浜からアデリーペンギンのルッカリー(=ペンギンが多数集って繁殖する群生地)のある鳥の巣湾まで片道約1時間の道のりを徒歩で通っています。
撮影:JARE67 池田未歩 (2025年12月31日)
撮影:JARE67 池田未歩 (2025年12月31日)
撮影:JARE67 池田未歩 (2025年12月31日)
アデリーペンギンは卵を産んでから雛を育てる間、雄と雌が交代で餌を取りに回遊します。この時期はペンギンが定期的に巣に戻ってくるので、動物に小型の装置を取り付けて行動や環境を計測し、帰ってきたところで機器とデータを回収する「バイオロギング」という観測が可能です。
アデリーペンギンたちは、卵を暖めている春の時期(抱卵期)は2~3週間かけて数百キロ、孵化した雛を育てている夏の時期(育雛期)は半日~1日かけて数キロ〜十数キロの範囲を回遊しています。そのためペンギンチームは海洋観測装置をペンギンに取り付けて、ペンギンに手伝ってもらう形で広範囲の海の様子を調べたり、比較的狭い範囲の中でどのように群れで行動をしているか、水中を3次元的にどのように泳いでいるのか、さらには巣にいるペンギンが気象条件によってどのような熱ストレスを受けているかといったことを、バイオロギング手法を使って調べています。
これらの観測によって、南極のアデリーペンギンを取りまく生息環境がどのように変わってきていて、その結果、ペンギンをはじめとする南極沿岸の海洋生態系にどのような影響が広がっているのかに迫ろうとしています。
撮影:JARE67 池田未歩 (2025年12月31日)
撮影:JARE67 池田未歩 (2025年12月31日)
撮影:JARE67 池田未歩 (2025年12月31日)
撮影:JARE67 池田未歩 (2026年1月3日)
撮影:JARE67 池田未歩 (2025年12月31日)
このようなアデリーペンギンのバイオロギングにより、人間が直接観測することが難しい南極の海氷域の環境や、これまで見えていなかったペンギンたちの生態に少しずつ迫ることができるようになりました。ペンギンチームの今後の活動にぜひご注目ください!
撮影:JARE67 池田未歩 (2025年12月31日)
(JARE67 池田未歩)


