初島、ネスオイヤ散策

12月7日は休日ということで昭和基地から見える小さな島、初島とネスオイヤという場所を散策しました。昭和基地の管理棟からもよく見える場所にあり、距離も近いので海氷上を歩いて散策に行ってきました。途中で14羽のペンギンの一行と出会い、お互いに行方を見守りました。この日は曇りがちで寒く、海氷も比較的締まっている印象でしたが、何気ない道でズボっと足を踏み抜くことがありました。おそらく最近の良い天気で溶けた水溜まりの上に、雪が降り積もっていたのだと思います。見た目は平らなのですが、重さに耐えられず下の層まで足が雪にはまります。

より怖いのはクラックという海氷の割れ目です。目の前だけでなく広い視野で見るとクラックが走っているのが分かりました。慎重に歩いていくと、程なくして初島に上陸しました。初島はひょうたんのような形で、途中の細いところは雪で埋まっています。黒いゴツゴツした巨岩と細かい砂のような小石が多いことが印象的でした。周囲の海氷はやはりクラックが多く走っていて、油断が出来ない状況に見えました。岩陰には鳥の羽が沢山落ちていました。隠れ場所になっていたようです。

19広場から出発
撮影:JARE66 米村幸司(2025年12月7日)
海氷上を歩く
 撮影:JARE66 米村幸司(2025年12月7日)
途中ペンギン一行に合う リーダー的ペンギンがこちらを見つめる
撮影:JARE66 米村幸司(2025年12月7日)
初島の様子 ゴツゴツした岩場が特徴的
撮影:JARE66 米村幸司(2025年12月7日)

初島の様子 波打ち際のような輪郭
撮影:JARE66 米村幸司(2025年12月7日)
初島から海氷を眺める
撮影:JARE66 中田康貴(2025年12月7日)

次に向かった先は、初島からすぐ近くにあるネスオイヤと呼ばれる小さな島です。こちらは先ほどよりも高低差があり、小高い山になっていました。昭和基地周辺では珍しい登山のような道を楽しみました。距離的には近いのですが土地の印象が違っており、砂地のような細かい土に様々な種類の小石、白や黒や灰色などが疎らに偏在していました。少し丘を登ると頂上に登ることができました。この頃になると曇り空は晴れ、気持ちの良いパノラマを楽しみました。普段外から眺めない昭和基地、とてもカラフルで暖かみがある存在に思えました。

右奥に小さな山のような地形、左奥にはカラフルな昭和基地が見える
撮影:JARE66 米村幸司(2025年12月7日)
小高い山登りの道
撮影:JARE66 小川萌(2025年12月7日)

頂上の鋲には1960年の文字
撮影:JARE66 中田康貴(2025年12月7日)
頂上から昭和基地を見つめる
撮影:JARE66 小川萌(2025年12月7日)

(JARE66 米村幸司)