昭和基地では夏期間の活動に備えた準備で慌ただしい日々を送っています。今月下旬にはいよいよドーム隊の出発もあり、隊全体で準備に追われているところです。
そんな忙しい中でもやらなくてはならないことがあります。それが消防訓練です。昭和基地は日本と比べて大気が乾燥しており、風も常に吹いている気候の為、一度火の手が上がると消し去ることは非常に困難です。当然、消防署も存在しないので、私たちは自衛消防隊を編成し、日々訓練に努めています。
10月21日、ここ数日では比較的暖かいマイナス6度の日に消防訓練を実施しました。極夜でマイナス30度以上を経験している隊員にとっては暖かいと感じるほどの気候ですが、実際にホースを伸ばして水を流してみると、衣服に着いた水はみるみるうちに凍り始めていました。やはりマイナス6度は厳しい環境と言ってよいでしょう。忙しくても、気温が低い日が続いても、毎月1回、このように必ず消防訓練を実施しています。来年の越冬交代で次の67次隊に引き継ぐその日まで、この昭和基地を守り、起きてはいけない有事に備えています。
撮影:JARE66 高妻潤一郎(2025年10月21日)
撮影:JARE66 高妻潤一郎(2025年10月21日)
(JARE66 高妻潤一郎)


