内陸への拠点整備とアザラシ出現

10月12日、ドームふじ観測拠点Ⅱへ行く内陸旅行チームが出発するための大陸側の拠点「向岩」への支援に参加しました。越冬隊でのドーム旅行を指揮する井上隊員先導の元、制御盤担当の田村隊員と共に車両整備や物資輸送、また分散した橇の移動を行いました。

数日前に降った柔らかい雪が強烈な日差しによって溶け、これまで使っていたルートのあちこちに水溜まりのようなものができてしまい、今年は昭和基地からの輸送に苦労しています。この日は重い雪上車から軽いスノーモービルに切り替えて目的地に向かいました。

南極大陸沿岸(向岩周辺)の風景
撮影:JARE66 米村 幸司(2025年10月12日)

向岩にある接岸記念と書かれた木材
撮影:JARE66 浅井咲樹(2025年10月15日)
数日泊り込みで作業を進めていた荒木隊員から話を聞く井上隊員
撮影:JARE66 米村幸司(2025年10月12日)

既に拠点では車両担当の片桐隊員、医療担当の荒木隊員が向岩に住込む形で様々な整備や準備を進めていました。車両がすぐに使える状態で待っていてくれたので、向岩の先に停めてあった橇の移動に速やかに着手することが出来ました。また車両整備も予定していた作業を進めました。

昭和基地への帰路では、別ルートを調査するために南回りの帰路を選択しました。途中昭和側からルートを調査していた野外担当の太田隊員、建築担当の岡本隊員と合流し、路面の状態を確認しました。実際に走ってみると平坦な道で状態は良く、迂回ルートなので少々長くはなりますが、安定した走行が可能でした。引き続き作業は沢山残っておりますが安全に注意して継続して準備を進めていきます。

昭和からのチームと向岩からのチームが合流
撮影:JARE66 米村幸司(2025年10月12日)
大きな青い氷山が見える
撮影:JARE66 浅井咲樹(2025年10月15日)

帰路には運良くお昼寝しているアザラシに合うことが出来ました。氷山の壁のような場所でゆっくりと大きな体で横たわっており、2mくらいはあったであろう野生の個体に驚きました。

さらに別の日には同じく向岩と昭和基地の道の途中でアザラシの子供と思われる小さな個体と出会いました。動物達の動きが見られ、気温も少しずつ暖かさを感じ、季節が春に移り行く気配を感じました。

氷山近く、アザラシの家族と思われる
撮影:JARE66 浅井咲樹(2025年10月15日)
コロコロと転がる
撮影:JARE66 浅井咲樹(2025年10月15日)
子供の個体に見える
撮影:JARE66 浅井咲樹(2025年10月15日)
暖かそうな毛並みが見える
 撮影:JARE66 浅井咲樹(2025年10月15日)

(JARE66 米村幸司)