10月1日は浄化槽の日だそうです。これは浄化槽に関する諸制度を整備した「浄化槽法」が昭和60年10月1日に全面施行されたことによるものです。実はこの昭和基地にも浄化槽が設置されています。環境保全隊員によって毎日運用されている浄化槽についてお話したいと思います。
昭和基地に設置されている浄化槽は合併処理浄化槽で、その中でもMBR方式浄化槽(膜分離活性汚泥法)と呼ばれているもので、活性汚泥による生物処理と膜ろ過を組み合わせた排水処理技術です。このシステムは再生水として利用が可能なほどの清澄で安定した高品質な処理水を生成することができ、環境保全に厳しい南極地域においてなくてはならない生活インフラの一つです。
10月4日、浄化槽のユニットスクリーンの清掃及び切替作業を行いました。毎月1回ユニットスクリーンの清掃と切替作業を行います。今回はNo.1からNo.2への切替作業。ユニットスクリーンは、浄化槽の最初の工程において生活排水とし尿などの排水が一緒になった水のゴミを取り除くための部品です。定期的に機械を交互運転することにより、機器のメンテナンスはもちろん故障によるトラブルにももう一台が予備機として対応できるよう設置されています。

撮影:JARE66 高妻潤一郎(2025年10月4日)

撮影:JARE66 高妻潤一郎(2025年10月4日)
(JARE66高妻潤一郎)