西オングル島へ 福島ケルン下見、及びテレメトリ小屋周辺の確認作業

9月16日に太田隊員、中田隊員、浜路隊員、田村隊員と共に徒歩で西オングル島へ行きました。今回の目的は10月に実施予定の西オングルにある福島ケルンへの御参りの下見とテレメトリ小屋周辺の機器等の確認作業でした。1960年10月、第4次南極地域観測隊員として越冬中に亡くなった福島紳隊員の死を悼むためのケルンで、昭和基地内と、ご遺体が発見された西オングル島の二ヶ所にあります。当日はよく晴れて風はなく、気温は低いですが歩くと暑さを感じるくらいの気候でした。昭和基地は南極でも東オングル島という場所にあり、西オングル島は海を挟んで別の場所にあります。夏期間(12、1月前後)は途中が海となり、徒歩で渡ることが出来ていませんでした。

東オングル島の見慣れた景色を離れ、今まで渡ったことがなかった「中の瀬戸」という海氷上を渡り、西オングル島に上陸しました。起伏のあるコースでしたが、周囲の風景を楽しみながら安全に移動しました。高い場所に昇って辺りを見渡すと岩場や土が見えているところも散見されて意外に感じました。雪に覆われていることを想像していましたが、今年は例年になく積雪が少ないようです。所々にある迷子岩という巨石や遠くで見えているアンテナを目印に目的地を目指しました。

基地周辺を少し離れて移動開始
撮影:JARE66 米村幸司(2025年9月16日)
雪がついている場所、いない場所、海が凍っている場所
撮影:JARE66 中田康貴(2025年9月16日)
不思議なバランスで立つ巨石
撮影:JARE66 米村幸司(2025年9月16日)
巨石はルートの目印にも
撮影:JARE66 浜路雅美(2025年9月16日
無事に到着してまずは御参りに
撮影:JARE66 米村幸司(2025年9月16日)
伝統を感じるテレメトリ小屋
撮影:JARE66 中田康貴(2025年9月16日)

2時間程歩いた後、無事に福島ケルンとテレメトリ小屋に到着しました。まずは今回のメンバーだけで福島ケルンを御参りしました。そしてすぐ近くのテレメトリ小屋で休憩した後、各種機器の点検や確認を行いました。ここには宇宙から放射される電波などの観測するためのアンテナや機器が設置されており、無人で観測を行っています。電気は太陽光発電と風力発電で対応していますが、メンテナンスが必要となっています。無事に作業を終えてルートの安全も確認できました。

アンテナや観測機器が設置された小屋
撮影:JARE66 中田康貴(2025年9月16日)
風力発電、太陽光発電
撮影:JARE66 浜路雅美(2025年9月16日)
巨大な迷子岩
撮影:JARE66 中田康貴(2025年9月16日)
帰り道、海氷上の奥にピラミッドのような氷山
撮影:JARE66 中田康貴(2025年9月16日)
巨大な太陽を見ながら安全な時間帯に帰路に
撮影:JARE66 浜路雅美(2025年9月16日)

(JARE66 米村幸司)