9月13日(及び8月28日)、気象担当の名本隊員がラジオゾンデ観測に使うヘリウムガスの交換作業を行っていました。ラジオゾンデ観測とは毎日2回、観測測器を取り付けた気球を飛ばして上空の気象データ(気圧、気温、湿度、風向・風速)を観測するもので、気球は地上から約30kmまで上昇します。この気球に充填するガスはヘリウムガスを使用しており、ボンベに入れた状態で国内から昭和基地に持ち込みます。ボンベの交換はおよそ10日に1回の頻度で行われ、屋外での地道な作業が繰り返し続きます。ブリザードの後には雪に埋もれることもありますが、ボンベを傷つけるおそれがあるためスコップは使えず、基本的には手掘りで除雪してから作業が始まります。
使い終わったボンベから配管を外し、クリーニングを行って部品を交換、新しいボンベに接続を行い、漏れなどがないか慎重に確認していきます。毎日気球を上げるので交換作業も1年を通じて行われ、風が弱ければ雪が降っていても作業は実施します。

撮影:JARE66 米村幸司(2025年9月13日)

撮影:JARE66 米村幸司(2025年8月28日)

撮影:JARE66 米村幸司(2025年8月28日)

撮影:JARE66 米村幸司(2025年8月28日)

撮影:JARE66 米村幸司(2025年9月13日)

撮影:JARE66 米村幸司(2025年8月28日)
屋外の作業が終わったら、基本観測棟内に移動して接続後の確認作業を行います。新しく付け替えたボンベからガスが漏れなく供給されていることを確認し、交換完了となりました。
毎日昼の14時30分、そして夜中の2時30分に気球が上げられます。毎日同じ時刻で上げられるので、隊員達は気球を見ると「14時30分か・・」と時間のサインのように感じています。日々空にゆっくりとあがる気球を見上げていましたが、ガスの管理などを行う気象隊員の努力によって観測が支えられていることを知りました。

撮影:JARE66 米村幸司(2025年5月4日)

撮影:JARE66 米村幸司(2025年5月16日)

撮影:JARE66 黒田真央(2025年7月11日)
(JARE66米村幸司)