受け継がれるもの、受け継がれる味

8月2日の休日に、調理担当の多賀高隊員が主導して、LANインテルサット担当北村隊員と一般研究観測(魚類の行動・生態の解明)担当浅井隊員、モニタリング観測担当浜路隊員が鱒寿司を作っていました。多賀隊員の父親、多賀正昭隊員は過去に第8次、第12次、第21次南極地域観測隊で越冬しています。富山県出身であり、かつてこの昭和基地で富山県の郷土料理である鱒寿司を隊員に振舞ったそうです。多賀隊員は幼い頃から観測隊の話を聞いており、いつかは自分もという思いを持ち続け、66次隊に参加しています。親子で観測隊に参加することになり、この思い出の鱒寿司を再現していました。

前日から鱒を仕込み
撮影:JARE66 浜路雅美(2025年8月1日)
富山県出身の北村隊員も参加
撮影:JARE66 浅井咲樹(2025年8月2日)
木枠に笹を並べていきます
撮影:JARE66 浅井咲樹(2025年8月2日)
笹の上から食材を詰めていきます
撮影:JARE66 米村幸司(2025年8月2日)

お米や鱒等の食材も器にもなる木枠も富山から取り寄せ、調理方法も全て再現しました。富山県出身の北村隊員も一緒に調理を手伝っていました。その日の夕食に隊員に振舞われ、皆で美味しくいただきました。観測隊の活動はさまざまな工夫やノウハウが次隊へと受け継がれる仕組みにより、60年以上にわたって続いてきました。鱒寿司の再現を通じて、観測隊の歴史を改めて感じる機会になりました。

皆で楽しく協力して作っていました
撮影:JARE66 米村幸司(2025年8月1日)
各テーブルで切り分けます
撮影:JARE66 浜路雅美(2025年8月2日)
美味しくいただきました
撮影:JARE66 浜路雅美(2025年8月2日)

(JARE66 米村幸司)