南極大学の開講

昭和基地では夕食後の時間を使って、隊員が講師を務める「南極大学」という講義を行なっています。

5月28日から始まった全3回のシリーズでは高妻隊員が講師を務めています。過去に北岳と尾瀬で山小屋を管理していた経験から、登山での事故事例やこれまで経験したレスキュー対応事例を紹介するもので、安全管理にまつわる示唆に富んだ内容でした。山で注意しなくてはいけない点はそのまま南極での行動においても気を付ける必要のあるもので、身が引き締まる思いがしました。また、山小屋での生活は昭和基地の暮らしと似ているように感じられ、山での経験を積んだ高妻隊員が同じ隊にいることをとても心強く思います。

第1回「情報過多による山岳遭難」
撮影:JARE66 米村幸司(2025年5月28日)
全隊員が熱心に講義に聞き入っていた
撮影:JARE66 米村幸司(2025年5月28日)
第2回「尾瀬の紹介と事故現場での対応」
撮影:JARE66 米村幸司(2025年6月4日)

普段髙妻隊員は環境保全担当として日々基地の廃棄物や生活排水の処理を担っています。また安全主任として防火対策等も担当しています。講義を通して、高妻隊員がこれまでの経験を生かして昭和基地での業務に従事していることがとてもよく分かりました。引き続き「南極大学」は行われ、教養と隊員同士の理解を深めていきます。

第3回「南アルプス北岳周辺での登山・山小屋事情と変遷」
撮影:JARE66 米村幸司(2025年6月11日)
ガイドの経験から説明が上手い髙妻隊員
撮影:JARE66 米村幸司(2025年6月11日)

(JARE66 米村幸司)