3つのヘリポート

今回は昭和基地には3つのヘリポートを紹介したいと思います。A、B、Cという名称がつけられており、現在の使用用途や状況も違っています。昭和基地に人や物資が到着する手段としてヘリコプターでの輸送が今のところ最も重宝する手段となっています。夏期間においてはターミナル駅のように頻繁にヘリポートが使用され、何度も隊員を見送りました。

Aヘリポート(通称Aヘリ)は3つのうち最大の大きさであり、しらせからの大型ヘリコプターによる輸送に活用されます。フォークリフト2台を備えて、コンテナのような大型物資などを引き受け、トラックに積み替えて各施設に運び込みます。観測隊員は主にここに到着し、ここから帰っていきます。白いペンキで「SYOWA」と書かれており、昭和基地の英語綴りが「SHOWA」ではないことに気づきます。ヘリポートの奥には験潮所があり、海氷が広がりとても見晴らしが良い場所となっています。

Aヘリポート
撮影:JARE66 米村幸司(2024年12月28日)
WELCOME TO SYOWA
撮影:JARE66 米村幸司(2025年4月10日)

Bヘリポート(通称Bヘリ)はAヘリから比較的近くにありますが、大きさはAヘリの半分くらいで、観測隊でチャーターした小型ヘリコプターが丁度止まれるくらいのサイズです。主に観測・研究目的で昭和基地から各ポイントに行くために使われます。人や荷物の積載は制限されますが、小回りが利くので野外観測はBヘリから出発することが多かったです。AヘリとBヘリの中間に第2夏期隊員宿舎(通称2夏)があるという位置関係です。

Bヘリポート
撮影:JARE66 米村幸司(2025年2月6日)
観測隊ヘリの離発着に
撮影:JARE66 米村幸司(2025年1月22日)
画:JARE66 米村幸司(2025年5月1日)

Cヘリポート(通称Cヘリ)はA、Bヘリとはかなり離れて、昭和基地全体からするとほぼ反対側と呼べる場所に存在します。大小二つのヘリポートが存在します。大きいヘリポートは地面の仕上げがコンクリートではなくアルミ製デッキを採用しているためか、劣化があまり見られずとても綺麗な状態でした。さらに併設される形でもう一つ小さなヘリポートが存在しています。こちらには消えかかってはいますが「36 th」の記載が見えました。

Cヘリポート
撮影:JARE66 米村幸司(2025年4月27日)
もう一つのCヘリ
撮影:JARE66 米村幸司(2025年4月27日)

(JARE66 米村幸司)