3月7日、宙空部門の浜路隊員、後藤隊員が行う環境監視観測に同行しました。建設作業などによる昭和基地周辺の環境変化が地球磁場の精密測定に及ぼす影響を確認するために、基地周辺に設置した9点の測量鋲の上の全磁力を測定します。観測地点に測量鋲が打ち込んでありますが、非常に小さなものなのでGPSを頼りながら探し出します。
測量鋲を見つけたあとは方位磁石でセンサの方向を合わせて計測し、また移動して鋲を探し出し計測することを繰り返していきます。計測にはプロトン磁力計という機器を用いており、方位磁石でセンサの報告を確認し調整、10秒計測で1分間(7回)観測を行います。地道な作業を継続して行うことで、経年環境変動も確認しています。

撮影:JARE66 米村幸司(2025年3月7日)

撮影:JARE66 米村幸司(2025年3月7日)
観測地点の近くにアデリーペンギンの群れがいました。基地から近場にある小高い丘の上、少し風をしのげ、屋根のようになっている場所に数匹が隠れるように佇んでいました。この時期はペンギン達の換羽期となっており、羽が抜けかけている様子が分かります。古い羽根と新しい羽根がまだらについていて、どこか隊員のジャケットや帽子のファーのようにも見えます。翌日も近くを通ると同じ場所でじっとしており、換羽期が終わるまで我々隊員は距離を取ってあたたかく見守りたいと思います。

撮影:JARE66 米村幸司(2025年3月7日)

撮影:JARE66 米村幸司(2025年3月7日)
(JARE66 米村幸司)