昭和基地との別れ

2月1日、9時15分より、昭和基地を象徴する看板のある19広場にて越冬交代式が行われました。66次隊が昭和基地に到着してからの1ヵ月間、物資輸送や引継ぎに追われ慌ただしい毎日を過ごし、あっという間にこの日を迎えました。気温-3℃、風速8m/sの風が吹き、じっと立っていると凍える寒さではありましたが、隊旗がなびく天候の日でした。

越冬交代式。ほどよい(?)風が吹き、両次隊の隊旗がなびく
撮影:JARE66 和田千弥(2025年2月1日)

両隊の隊員紹介では隊長から名前を呼ばれると、隊員は「はい!」と大きな声で返事をします。1年間昭和基地で過ごした時間を思い出し、隊員それぞれ、思いを巡らせているようでした。

越冬交代式を終えると、昭和基地を象徴する看板の前で記念写真を撮影し、ヘリポートに移動します。11時15分頃、迎えのヘリコプターが昭和基地のヘリポートに近づいてまいりました。このときはまだ、昭和基地を去る実感が湧かないまま、見送りに来てくれた66次隊員と談笑していました。

お迎えのヘリコプターと、ダウンウォッシュから身を守る隊員達。
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2025年2月1日)
ヘリコプターに搭乗。見送りを受けながら昭和基地を去る。
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2025年2月1日)
南極観測船しらせに向かうヘリコプターの中から、昭和基地を望む
東オングル島は氷と海に囲まれ、隔絶された環境であることを実感する
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2025年2月1日)

昭和基地のヘリポートを出発したヘリコプターは昭和基地上空を旋回し、南極観測船しらせに向かいます。上空から見た昭和基地は、まわりは氷と海に覆われ、この隔絶された環境で1年間を過ごしたのかといろんな気持ちがこみ上げてきました。

南極観測船しらせで出迎えてくれる観測隊員、しらせ乗組員
撮影:JARE65 津町直人(2025年2月1日)
南極観測船しらせで出迎えてくれる、しらせ乗組員のみなさん
撮影:JARE65 津町直人(2025年2月1日)

しらせに戻ると、しらせ乗組員、およびしらせで活動中の66次観測隊員が出迎えてくれました。およそ1年ぶりのしらせは、久しぶりに家に戻ってきたかのような温かい雰囲気に包まれていました。

2023年11月24日に日本を出国してからおよそ1年3ヵ月の出張を終え、私たち65次越冬隊は2月25日に日本に帰国する予定です。拙い文章ではありますが、1年間ブログを読んでいただきありがとうございました。観測隊の生活や活動について、「へ~そうなんだ!」と思っていただける内容をひとつでもお届けできていたら嬉しいです。

昭和基地は、これから66次越冬隊が管理運営していきます。66次隊の活動を、これからも応援のほどよろしくお願いいたします。

(JARE65 山岡麻奈美)