とあるミーティングにて、気象隊員から報告がありました。
「今年は1月21日の0時20分に初の日の入り、0時47分に初の日の出となります。」
昭和基地では2024年11月21日から太陽が沈まない白夜が続いていましたが、2025年1月21日、ついに日の入りを迎えました。
最後の白夜の日となる1/20、本当に沈まないかどうかを確認するため、昭和基地内の高いところから太陽を観察しました。日付が変わる直前くらいには、すでに太陽の大半が沈んでいたのですが、最終的には遠くにある岩山に隠れてしまい、沈まない太陽は見られませんでした。白夜が終わる当日(1/21)はあいにく地平線が曇っており、久しぶりの日の入りを確かめることができませんでしたが、翌日(1/22)には海氷の向こうに太陽が沈んでいく様子を見ることができました。
以後、太陽の日の入り時刻とともに日没の位置が日々、変わっていきます。短い南極の夏がもうすぐ終わろうとしています。
一方、北の地平線、海氷上の低空が、薄暗い水色に染まっていました。「地球影(ちきゅうえい)」と呼ばれ、日の出前や日没後に太陽と反対側の空に地球の影が映し出される現象です。さらに地球影の上には「ヴィーナスベルト」と呼ばれるピンク色の帯も同時に見られ、これらの美しい現象を背景に、南極観測船「しらせ」が昭和基地沖に停泊していました。
(JARE66 北本憲央)