新春外出禁止令

1月2日午後から3日にかけて低気圧が接近し、昭和基地は強風に見舞われました。

強風やブリザードになると、昭和基地では「外出注意令」または「外出禁止令」が発令され、隊員の外出が制限されることになります。ひとたび注意令の予報が出されると、ライフロープ(命綱)の確認、車庫への車両格納、物品の風散防止など、多くの隊員によって事前対策が施されます。

ライフロープの使い方を説明する野外支援担当の太田隊員
撮影:JARE66 木戸 瑞佳(2025年1月2日)

今回は就寝時間帯に風が強まり2日22:00に外出注意令が出されました。注意令が出されると観測隊員たちは基本的に屋内で待機します。もし建物間を移動する場合は無線機を使って通信担当に外出の報告をし、屋外では必ず2人以上で、基地内に張り巡らされているロープをつたって移動し遭難を防ぎます。建物に到着した際には再度、報告し安全を確認します。

3日の朝、風と雪が強まり、視程※も悪化したことで、午前9時42分に外出禁止令が発令されました。禁止令が出ている間は、一切、外に出ることはできません。観測隊員たちは施設内で待機しつつ、風速30m近くの豪風音を聞きながら各々の仕事の準備を進めていました。

※視程:肉眼で目標物をはっきりと確認できる最大の距離。観測場所からどの程度見通しがきくかを示す気象用語です。

所在確認の報告を受ける通信担当の千葉隊員
撮影:JARE66 北本 憲央(2025年1月2日)
強風の中、移動する観測隊員たち
撮影:JARE66 北本 憲央(2025年1月2日)

強風に煽られる観測隊員たち。外出注意令にいても、外は強風でまともに立つことができません。扉も風に押されて開けることも困難です。この撮影から約30分後に外出禁止令が出されました。

撮影:JARE66 北本 憲央、近岡 国史(2025年1月3日)
編集:JARE66 北本 憲央

1月2日0時 地平線に輝く太陽
2日の早朝までは青空が広がっていたのですが・・
撮影:JARE66 北本 憲央(2025年1月2日)

(JARE66 北本憲央)