66次隊が昭和基地に到着し、観測、物資輸送などさまざまな活動が始まっています。
・・ところで、みなさんは「昭和基地は南極大陸に無い」ということをご存じでしょうか。
昭和基地(南緯69度00分、東経39度35分)は南極大陸からおよそ4㎞離れた「東オングル島」という島にあります。ただ、大陸と島が海氷でつながっていますので、島が大陸の一部のように思われる方もいるのではないでしょうか。ちなみに、東西のオングル島もかつては一つの島だと思われていましたが、調査の結果、二つの島が海氷でつながっているだけで実は分かれていたことが判明し、現在では、東オングル島、西オングル島、と正式に区分されています。改めて、昭和基地の場所を地図で確認しておきましょう。
まずは南極大陸全体から。
上の地図の、台形で囲まれた部分をクローズアップしたのが次の地図です。
地図右上のほうにある湾はリュツォ・ホルム湾と言います。その詳細が次の地図です。
四角の枠で囲まれたところに東オングル島があります。大陸と離れた島であることが分かりますね。
さらに詳細な地図もあります。
拡大してみると……
全ての図は国土地理院ウェブサイトに掲載された地図を編集(編集:北本 憲央)。
国土地理院が作成した南極地域の詳細な地図はこちらからご覧いただけます
なお、東オングル島は夏になると雪がとけて地面が見えることがあります。昭和基地はその地面の上にあり、いつも変わらない場所に建っています。
一方、南極大陸にある基地は氷の上に建っているため、氷の動きとともに建物の位置が少しずつずれたり、大雪で埋もれたりすることがあります。そのため、建物の移動や埋没に対応できるよう、いろいろな対策が取られています。たとえば、建物の下にスキーを付けてトラクターで移動できるように設計されたり、ジャッキアップという方法で建物を持ち上げたり、といった工夫がされている基地もあるのです。
(JARE66 北本憲央)