さよなら太陽、ようこそ極夜

6月初旬、昭和基地は極夜に入りました。7月中旬まで1日中太陽が昇らない日々が続きますが、極夜といっても1日中真っ暗というわけではありません。薄明期と呼ばれる日中の数時間は、水平線が赤く染まって夕方のような明るさで、外で作業ができるほどです。

極夜入り直前。地平線付近を移動し、地を這う太陽
撮影:JARE65 奥谷椋一(2024年5月29日)

6月上旬、昭和基地内では各部門で機器・設備の点検や在庫量調査が進められていました。66次隊に基地の運営を引き継ぐために必要となる物資の種類や数量を確認し、調達参考意見として計上するための作業です。7月から国立極地研究所内に隊員室が開設され、66次隊が出発に向けて打ち合わせや準備を進めていきます。昭和基地に南極観測船「しらせ」がやってくるのは年に1回のみで、その1回だけの補給で1年分の物資をまかなう必要がありますので、昭和基地内に何がどれだけあるか念入りに確認し、不足しそうなもの、調達してきてもらう必要があるものを次隊に伝えます。

次隊に向けて調達参考意見を提出するため、部品の在庫量を確認する設備担当の今西隊員
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2024年6月3日)

2月1日に越冬交代後、早くも5か目に突入しました。越冬生活にようやく慣れてきたと感じ始めたところ、次の隊に向けた調達参考意見の作成や持ち帰り物資の調査も始まり、時の経過の早さを感じます。越冬生活の折り返し、ミッドウィンターももうすぐです。

(JARE65 山岡麻奈美)