南極大学

隊員同士の相互理解および一般教養を深めることを目的に、越冬期間中、「南極大学」という講義を毎週金曜日の夕食後に実施しています。南極大学は、歴代の観測隊報告を遡ると第7次越冬隊の頃から既に始まっていたようです。講義は、65次越冬隊では隊員全員が持ち回りで担当します。テーマは自由で、業務のこと、趣味のこと、どんなことでも構いません。実技形式もOK。

調理担当の小笠原隊員は、カレーの奥深さについて紹介してくれました。
カレーに使用する代表的な5種類のスパイスの、香りの違いを楽しみます。
撮影:JARE65 津町直人(2024年3月22日)
屋良隊員(宙空担当)の南極大学のテーマは、なんとカラス…!
カラスの生態や日本人との関わりの歴史について紹介された後、
「カラスと共存するには、カラスの生態を少しでも知る人間側の歩み寄りも必要です」と締めくくられました。
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2024年4月19日)
建築担当の松本隊員からは、実は身近な建築由来の単語について、紹介がありました。
「几帳面」や「羽目を外す」等の言葉も、語源は建築用語のようです。
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2024年4月26日)

観測隊には、様々なバックグラウンドを持った人たちが集まっています。
担当隊員の業務内容に関連した講義の回もあれば、隊員自身が興味のあることを熱く語る回も。
観測隊に参加しなければ、知る機会がなかったかもしれない話を聞くことができ、毎度講義終了後には隊員から講師に様々な質問が飛び交います。

「次回はどんな内容の講義かな~」と楽しみにしながらも、自分の担当回が差し迫ってきて、テーマは何にしようか、そろそろ決めないと準備が間に合わないな…と焦り始めている今日この頃です。

講師の話に熱心に耳を傾ける隊員たち
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2024年4月19日)
野外観測支援担当の山岸隊員担当回は、ロープワークの実技形式の講義でした。
写真はライフロープを繋ぐときの中間支点に使う「バタフライノット」の結び方を練習しています。
撮影:JARE65 津町直人(2024年3月8日)

(JARE65 山岡麻奈美)