冬期総合訓練③

この日はテントで起床して朝食・撤収を済ませた後、キャンプ場から見える湯の丸山登山を行う予定でしたが、昨晩の積雪により湯の丸中腹までのスノーシュートレッキングに変更となりました。

ずぶずぶと沈む新雪のラッセルに悪戦苦闘
撮影:国立極地研究所広報室(2024年3月6日)
曇り空ですが風が弱く歩きやすい気候でした。
撮影:国立極地研究所広報室(2024年3月6日)

午後も引き続き野外での訓練が続きます。

南極には、潮の満ち引きによってできる海氷の亀裂(タイドクラック)や、氷河などに形成される深い割れ目(クレバス)、伸ばした手の先が見えないほどのブリザードなど様々な危険が身近に存在しています。

南極行動中は十分に安全を確認した上で活動していますが、自然を相手に、万が一の場合に全員が対応できるようなスキルの習得を目指して訓練の予定が組まれており、今年はクレバスへの落下を想定したロープ引き上げ訓練や、野外活動中の急なビバークの際に有用なツェルト(簡易テント)設営の講習が行われました。

ゲレンデ斜面を活用したロープ引き上げ訓練
撮影:国立極地研究所広報室(2024年3月6日)
野外活動中の緊急時に強風から身を守り体温低下を防ぐツェルト(簡易テント)設営
撮影:国立極地研究所広報室(2024年3月6日)
野外行程終了後は極地研スタッフにより温かいおしるこが振る舞われました。
撮影:国立極地研究所広報室(2024年3月6日)

ホテルに戻り、久しぶりに室内でとる夕食を済ませた後は、翌日の「ルート工作訓練」に関する講義が実施され、各班には地図とプレートコンパスを用いた課題が発表されました。休む間もない行程ですが、各班机を合わせて突如として課された課題に真剣に取り組んでいました。

安全の確保された道を作る「ルート工作」南極での野外活動においても実際に使われています。
撮影:国立極地研究所広報室(2024年3月6日)
ルートベアリングコンパスやGPSが配布されると共に、地図上に実線のみが描かれた班ごとのコースが示されました。
撮影:国立極地研究所広報室(2024年3月6日)

(国立極地研究所広報室)