64次越冬隊、しらせへ

2月1日に65次隊へ昭和基地の維持と運営を引き継いだ64次越冬隊は、2日、昭和基地を離れ観測船「しらせ」に戻りました。20221221日に昭和基地入りしてから、408日ぶりの乗船です。齋藤艦長はじめ、しらせ乗員の方々が温かく出迎えてくれました。引き続き昭和基地周辺で活動中の65次夏隊の隊員たちの戻りを待って、2月後半から南極海のアムンゼン湾やトッテン氷河沖での海洋観測等を行い、その後、北上を開始、3月下旬に日本に帰国する予定です。

出迎えセレモニーで再会の握手を交わす齋藤艦長(左)と樋口64次越冬隊長(右)
撮影:JARE64 白野亜実(2024年2月2日)
しらせの飛行甲板では多くの乗員が私たちの戻りを待ってくれていました
撮影:JARE64 白野亜実(2024年2月2日)

こちらは昭和基地を発つ前のヘリポート周辺の様子です。仕事の手を休め、多くの隊員がヘリポートまでお別れの挨拶や見送りに来てくれました。64次隊に労いの言葉をかける者、日本での再会を約束し合う者、別れに涙を流す者もいました。ちょうど1年前、御礼と感謝の気持ちを込めて63次越冬隊のみなさんをここで見送りました。時が経ち、今度は見送られる側として私たち64次越冬隊が旅立ちます。互いに支え、助け合い、28名の越冬隊のうち誰一人欠けることなく、最後まで笑顔で任務を全うすることができました。達成感と安堵の想いでいっぱいです。思い残すことはないつもりでしたが、迎えのヘリの音が聞こえてくると、寂しさがこみ上げました。

見送りに集まった隊員たち 旅立ちの出発間際まで言葉を交わします
撮影:JARE64 樋口和生(2024年2月2日)
迎えのヘリが到着し、乗り込む直前の樋口64次越冬隊長
撮影:JARE64 白野亜実(2024年2月2日)

ヘリのダウンウォッシュに耐えながら手を振ってくれる隊員の皆さん
撮影:JARE64 樋口和生(2024年2月2日)
ヘリからだんだんと遠く、小さくなっていく昭和基地を眺める
撮影:JARE64 樋口和生(2024年2月2日)

南極観測隊は、南極から地球環境変動を探ることをミッションとし、観測と基地の維持管理を続けています。様々な専門分野や技術を持つ隊員たちから構成される隊が1年毎にやってきて、任務を遂行し、その繰り返しによって南極観測の歴史がつながってきました。65次隊にバトンを渡し、私もこの記事を最後に筆を置きたいと思います。観測隊ブログを通じて、南極の自然にワクワクしたり、観測隊の活動に少し詳しくなったり、そんなつながりを作れていたのなら嬉しいです。これまで本当にありがとうございました。これからもずっと南極観測隊を応援してくださいね。

JARE64 白野亜実)

ラングホブデ氷河の沖での海洋観測の様子 観測は続くよ、いつまでも
撮影:JARE64 白野亜実(2024年2月3日)