白夜の終わり

昭和基地では昨年1121日から、太陽が沈まない白夜期となっていましたが、1月22日午前0時11分、ついに日が沈み白夜の終わりを迎えました。

久しぶりの日没を見ようと、みんなが寝静まる時間に外に出ました。この時間の気温は-2℃程度、風も弱く、ずっと空を眺めていられそうな穏やかさでした。

昭和基地の南の空、蜂の巣山に沈んだ太陽
撮影:JARE64 白野亜実(2024年1月22日)
基本観測棟屋上から見た南の空
撮影:JARE64 白野亜実(2024年1月22日)
天測点から、昭和基地の西側の眺め 中央の赤い建物は第1夏期隊員宿舎
撮影:JARE64 白野亜実(2024年1月22日)

北の方角を向くと、凍った水平線から少し上の空が水色に染まっていました。「地球影」と呼ばれる日の出前や日没後に太陽とは反対側の空に地球の影が映し出される現象です。美しい水色に白夜の終わりを実感します。

北の空 水平線のすぐ上に地球影が見られる 真ん中には昭和基地沖に接岸する観測船「しらせ」
撮影:JARE64 白野亜実(2024年1月22日)
東の空 空の下には大きな氷に覆われた南極大陸が広がる
撮影:JARE64 白野亜実(2024年1月22日)

着実に季節が進み、短い南極の夏がもうすぐ終わろうとしています。私たち64次越冬隊の昭和基地での活動ももうすぐ終わります。澄み渡る青空、手のひらの先も見えないほど真っ白な吹雪、色鮮やかなオーロラと満天の星が輝く夜空。たくさんの南極の空を皆さんにお伝え出来たことをとても幸せに思います。

(JARE64 白野亜実)