昭和基地にも新しい年がやってきました。越冬隊の私たちは、日本を離れ観測隊の仲間たちと迎える2度目のお正月になりました。南極の短い夏は観測隊の繁忙期。いつもは観測活動や基地設営作業で慌ただしい隊員たちも、大晦日の午後からは仕事の手を休め、大掃除や門松を飾って新年を迎える準備をしました。
1月1日午前0時の昭和基地は、気温約-7℃、風は穏やかで快晴の天気でした。今は1日中太陽が沈まない白夜の時期なので、初日の出はありませんが、元旦の空を見ておこうと防寒着を着て外へ出かけました。南極大陸を覆う氷が太陽の光を浴びて輝く様子、昭和基地の東部にある見晴らし岩沖に接岸した南極観測船「しらせ」の凛とした姿を眺めることができました。また南側の蜂の巣山あたりに沈まない太陽の姿がありました。南極の自然はいつも荘厳で美しい情景を私たちに魅せてくれます。猛吹雪や過酷な寒さなど厳しい面もありますが、それを上回るすばらしい風景があることを忘れないでいたいと思います。
昨年の12月20日に65次隊が昭和基地に到着し、64次隊と協働して観測や工事、様々な作業が進んでいます。初めは慣れない環境に不安そうな顔の隊員もいましたが、高い集中力と強い結束力で観測隊の仕事をリードし始めています。2月1日には、私たち64次隊が昭和基地を離れ、65次隊が基地の維持管理と観測活動を引継ぎます。それまで互いに協力し合い、南極での仕事、生活を十分楽しんで悔いのない日々を過ごしていきたいと誓ったお正月でした。
(JARE64 白野亜実)