浅層アイスコア掘削の完了

ドームふじチームは、ドームふじ観測拠点IIにおいて深さ126メートルまでのアイスコアの掘削を完了しました。

このアイスコアは、来年度以降に採取する深層アイスコアにつながるもので、12月14日に完成した深層掘削用の10メートルピットにおいて、長さ2.1メートルの浅層掘削ドリルを用いて実施しました。10メートルピットの上端(掘削場の床面)から10メートル下にある掘削孔に向けてドリルを降ろし、ドリルの先端が掘削孔の底に到達したら掘削を行います。一度の掘削で最大50センチメートル程度のコアが採れ、それを245回繰り返して126メートルまで到達しました。途中で休日を挟みつつ、掘削には延べ10日間を費やしました。

深層アイスコア掘削の準備は、掘削孔を拡張するリーミング、掘削孔にパイプを挿入するケーシング作業へと続きます。

浅層アイスコア掘削の様子。ウインチの上げ下げやドリルの回転をコントロールする者と、ドリルが着底してからケーブルを手動でゆっくり繰り出して掘削の進捗をコントロールする者の2名で行います。
撮影:JARE65 平林幹啓(2023年12月23日、26日)

掘削したアイスコア(深さ125メートル)
撮影:JARE65 平林幹啓(2023年12月25日、26日)

掘削したアイスコアは、現場で直径、長さ、重量を計測して記録します。
撮影:JARE65 中澤文男(2023年12月21日)

アイスコアは1本ずつ専用のケースに詰め、さらに雪と一緒に段ボールに梱包します。常に試料の温度を管理しつつ、南極観測船「しらせ」では冷凍コンテナで保管して日本まで輸送します。
撮影:JARE65 平林幹啓(2023年12月27日)

最深部のアイスコアとドリルと一緒に、浅層掘削の完了をドームふじチーム全員で祝いました。
撮影:JARE65 平林幹啓(2023年12月26日)

(JARE64 津滝俊)