12月20日、地質チームが調査を開始しました。
地質チームは12月20日に「しらせ」を飛び立ち、最初の調査地であるルンドボークスヘッタに到着しました。メンバーは外田、足立、森、スリハリの4人で、65次では主に約10~5億年前の大陸衝突の謎に迫ります。到着初日はキャンプ設営を行い、翌21日の朝から調査を行いました。
主な調査方法は大きく分けて3つです
(1) ハンマーによる岩石の採取
(2) クリノメーターを用いた走向・傾斜の測定
(3) ドローンを用いた空撮による岩相分布調査
(1)では岩石をハンマーで割って採取し、日本に持ち帰り詳細な分析を行います。鉱物の元素分析や同位体分析を行うことで、その石が受けた温度・圧力、そして大陸衝突などのイベントの年代を決めることができます。
(2)では岩石の縞々模様の方角や傾きを分度器と方位磁針を組み合わせたクリノメーターと呼ばれる道具で調査します。過去の大陸衝突など大きな力が加わったときの変形を調べたり、隣の露岩とのつながりを考えたりするのに使います。
(3)では岩相(岩石の種類)の分布を把握します。上空から見た岩石の色の違いは岩石の種類の違いであることが多く、草木に覆われていない調査地域ではドローンの空撮によって一気に岩相分布を見ることができます。
(JARE65 森祐紀)