11月24日に日本を出発し、豪州フリーマントル港から「しらせ」に乗船、昭和基地に向かっている65次隊本隊がまもなく到着します。65次隊の皆さんが暴風圏の荒波に揉まれながら南下を続けている頃の昭和基地の様子を紹介します。
雪に覆われる冬のあいだは、雪上車やスノーモービルが主な移動手段となりますが、夏にはタイヤを装着したトラックが通行し、物資輸送や観測機器入替、建築工事などさまざまな作業を進めます。そのため夏を前に、安全に車両が通行できるよう、主要な道は地面が現れるまで除雪を行っておきます。私たちは11月頭から本格的な除雪を始め、順調に思えたのもつかの間、吹雪などの悪天候に見舞われ、また12月に入ってからもブリザードが襲来しました。みるみるうちに真っ白な雪景色に戻っていった時は心がくじけそうになりましたが、隊員みんなで励まし合い、協力して無事に除雪を終えることができました。
新しく昭和基地入りする隊員の皆さんが夏のあいだ寝泊まりする夏期隊員宿舎の各種設備立ち上げ、点検整備、掃除も行いました。慣れない南極での仕事に期待や不安、いろんな気持ちでやってくるであろう65次隊の方々が少しでも安心して過ごせるよう、心を込めて準備しました。だんだんと受入れ準備が整っていくと、大仕事を終えたような安堵感に包まれました。けれど観測隊は夏が繁忙期。新しい隊の到着を機に、基地内外での観測活動、物資や燃料の輸送、建築・土木工事など、どれも同時並行でめまぐるしいスピードで走りだします。にぎやかな季節のスタートです。
(JARE64 白野亜実)