第64次・65次南極地域観測隊合同によるドームふじチームは、ドームふじ観測拠点IIにおいて深さ10メートルに及ぶピットの掘削作業を完了しました。
このピットは、深さ10メートル、奥行き10メートル、幅0.6メートルの扇形となっていて、深層掘削ドリルを支えるマストを水平から垂直に動かすために作成します。本年1月、JARE64では深さ3メートルまで掘り進めており、JARE65では残り7メートルを掘削しました。ピットの幅が狭く重機が使えないため、全て人力で掘りました。気温マイナス30℃程度、気圧600ヘクトパスカル程度の過酷な環境であるドームふじにおいては大変厳しい作業となりました。そのため、20分で分担を交代し、こまめに休憩を入れるなどして、作業の安全と隊員の健康を守りながら進めました。
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撮影:JARE65 中澤文男(2023年12月9日)
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撮影:JARE65 中澤文男(2023年12月9日)
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撮影:JARE65 中澤文男(2023年12月7日)
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撮影:JARE65 中澤文男(2023年12月14日)
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撮影:JARE65 川村賢二(2023年12月14日)
10メートルピットの完成をもって、いよいよ第3期ドームふじ深層アイスコア掘削が始まります。JARE65では深さ120メートルまでの浅層掘削、掘削孔の拡張、およびパイプを挿入した掘削孔のケーシングを実施する計画です。
(JARE64津滝俊)