11月に入り、ペンギンセンサスの時期がいよいよやってきました。
ところで、このブログをご覧になっている皆さんは「センサス」という言葉をご存じでしょうか?恥ずかしながら、私はこの調査に参加するまで、この言葉を全く知りませんでした。
調べてみますと、「全数調査」という意味らしいです。大人の方ならわかるかもしれませんが、人間に例えると「国勢調査」のようなものだそうです。
毎年11月の中旬と12月の上旬に、それぞれ、決められた場所で、アデリーペンギンの個体数調査と営巣数調査を行っています。この調査のことを、「ペンギンセンサス」と言います。日本の南極観測隊は1960年代から昭和基地周辺のアデリーペンギンを調べていて、南極全体のペンギンの動向を考える上で貴重な長期データを世界に提供しています。
例年であれば、多くの繁殖地に赴いて調査を行うのですが、今年は海氷の状態があまりよくないため、「安全で近距離かつ短時間で調査を終えることができる場所」に限定して実施せざるを得ませんでした。
今年出向いたルッカリーと呼ばれる集団営巣地は、まめ島、オングルカルベン、水くぐり浦、袋浦、ルンパの5か所です。
調査方法は「同一のルッカリーを3人以上で調査し、それぞれ3回計数し、その平均値を求める」となっています。
調査にあたった隊員たちは、昔ながらのカウンター片手に、悪戦苦闘しながら数を数えていきます。白黒模様のペンギンたちがちょこまかと動くので、瞬きをするだけでもどこまで数えたのか分からなくなってしまいます。思った以上に目を酷使します。
ルッカリーによっては、数千にも及ぶので、その際には写真を撮影して、じっくりと数えます。
今年も無事に調査を終え、ペンギンたちもたくさん育ってくれたらいいなあ、と思います。
(JARE64 三上学)